22  自分の力で  2008年04月30日(水)
 授業内容の減少によって、学力が低下したということがいわれて久しいですが、確かに基本的な力は下がっているような気がします。例えば日本の都道府県の位置などについても、高校生になっても全部答えられないという生徒もいます。それが小中学校での授業内容の削減と本当に関係しているのかはよくわからないところです。ただ、このごろよく思うのは、「教えてもらう」という作業がなければ「わからない」と考えている生徒が多いということです。そこがちょっと困ったところです。私が高校生の時に比べて、このごろの高校では非常に手厚く授業が行われています。本校でも、放課後の講習や夏休みや冬休みの講習などもあります。チューター制度(学校内における家庭教師のような制度)もありますし、先生方が工夫して興味のある授業もたくさん開講されているのですが、こんなことは私が高校生の時にはあり得ないことでした。学力が低下する原因は「教えてもらう」ということに頼って、「自分で勉強する」という行為が、今の生徒に欠けているのが大きな原因ではないかなと考えています。「勉強のしかたがわからない」という生徒もいます。勉強のしかたなんか本当は自分で考えることなのですが、勉強のしかたを教えるということも、積極的にしていかねばならないことだと思っています。もう一つ重要な要素は「家庭学習」がおろそかになっていることだと思います。家庭学習はひとつの「くせ」のようなもので、朝起きて顔を洗わないと気持ちが悪いように、学校から帰って「30分でも予習復習しないと、何か気持ちが悪い」という「くせ」がつけば家庭学習はできるのです。本校の生徒に対しても、「勉強のしかたを教え」「家庭学習を必ずするくせをつける」ように、指導したいと考えています。

21  おはようございます  2008年04月28日(月)
 毎朝、通用門に立っていますが、生徒のあいさつの状況を見ていると面白いですね。大きく分けて4種類の生徒がいます。
@生徒のほうから「おはようございます」とあいさつしてくれる生徒。
Aこちらから「おはようございます」と声をかけると、「おはようございます」と返事をしてくれる生徒。
Bこちらから声をかけると、礼か会釈だけして通り過ぎる生徒。
Cこちらから声をかけても、まったく何も反応のない生徒。
ipodとかを聞きながら登校してくる生徒が多いので、こっちの声が聞こえないこともあるのかもしれませんが、やはり立っているほうからすると、@かAの生徒がうれしいですね。Cの生徒は、もう絶対これからは「おはようございます」と声をかけないぞ、と思いますからね。
私は人を観察するのが大好きなので、毎朝生徒だけでなく、通勤途上の電車の中でも人を観察しています。このごろ多いのは、立ったままでも携帯かDSのような小型モバイルで一心不乱にゲームをしている、まだ若いサラリーマンです。たくさん人が乗り降りしているのに、まったく無関係にゲームをしています。少し動けばじゃまにならないのに、同じ位置で足を踏ん張って人の乗り降りの邪魔をしながら、それに気がついていません。腹は立たないのですが、きっと会社でも、周りが見られずに苦労しているのではないかなと思うと、ちょっとかわいそうになってきます。
KYということばが流行っていますが、KYより、「KYの前に、MM(周りを見る)」ことが重要でしょうね。


20  3年論文発表会  2008年04月24日(木)
今日の5時間目は、3年生の論文の発表会を見学しました。各クラス代表1名ずつ合計6名の生徒の発表を聞きました。一つ一つにコメントをつけましょう。
「均一価格店とさまざまな危険」 百均などの均一価格店で販売されている商品はコストの安い海外で生産されたものも多く、日本の安全基準に合わない色素などを使用しているものもあり注意が必要である。という発表でした。内容はよくわかったのですが、もう少しプレゼンの工夫がほしかったと思います。
「オタク」 オタクはよく気持ち悪いなどと思われているが、みんなそれぞれ何か凝っているものをもっているはずだから、みんなオタクなんですよ。という内容でした。意味はよくわかるのですが、「オタク」ということばで表現される人たちの、同じ趣味の人たちの閉じられた空間の中での行動様式について、もっと深く掘り下げてほしかったなと思います。
「自閉症児と見つめ合うこと」 自閉症の症状や、自閉症児とどのように接していくかということを中心に非常にまじめに取り組んだ発表でした。内容はしっかりしており、自閉症についての正しい理解をしていたと思います。発表原稿を読むのではなく、もう少し自分のことばで発表できればなおよかったと思います。
「薬物に関する知識」 麻薬、覚せい剤などは意外に私たちの身近にあり、それらの薬の紹介と使用することによる害についての内容でした。内容もよくわかったし、発表もうまかったのですが、もっと薬の被害を強調したほうがよかったと思います。
「ホクロ」 ホクロについて、ホクロって何?、ホクロをほじくったらどうなる?、ホクロ占い、なぜホクロと呼ぶの?などホクロについての知識満載の発表でした。非常に面白い発表だったのですが、時間オーバーで減点。発表時間というのは、大学へ行っても、社会へ出ても意外に重要な要素なのです。
「タイムトラベルの謎」 タイムマシンはできるのか?未来にはいけるが、過去にはいけないという発表でした。過去に戻ってタイムパラドックスをつくってしまうことは間違っている。今を大切にという内容だったのですが、私としてはもっと物理的にタイムマシンができるのかどうかを考えてほしかったです。 
 でも、興味深い発表ばかりでした。


19  前期生徒会役員選挙がありました  2008年04月23日(水)
 今日は6限後生徒会の役員選挙でした。合計9名の生徒が立候補してくれて、それぞれ自分の抱負を述べてくれました。具体的なことを言ってくれた生徒も、一般的なことで終わった生徒もありましたが、どの生徒もたくさんの人の前で、しっかり話せているなというのが印象です。9人も立候補したというのは、生徒の自主活動が盛んな証拠で、頼もしいことですが3年生5人、2年生4人で、1年生はまだ誰もいませんでした。後期からはたくさんの1年生も立候補してくれて、先輩と一緒に芦間をつくりあげていってほしいと思います。
 生徒会活動というのは、自分たちで学校を創っていく、行事を組み立てていくという役割を担っていますから、ここで「全体を見渡す」力、「新しいものを創造する」力、一人ではできないので「みんなを動かしていく」力、「意見の違う他の人と調整していく」力などがついてくると思います。これらの力は将来、それぞれが社会に出たときにどれも必要な力です。楽しみながら、悩みながら芦間を引っ張っていってください。
ところで、このごろ「周りに流されている」人が多いように思います。昨日の夜「おせん」というドラマを見ていて、豆腐の大豆の産地を答えられなかったお仙さん(私はこのごろ蒼井優のファンですが)が最後に言ったことば、「職人さんを信じていればいいんですよ」というのが今の周りに流されている人をチクッと刺していることばでよかったですね。やたらグルメぶって、店にこだわるとか、食材の産地にこだわるとか、結局みんな「グルメブーム」という周りの流れに流されているのですね。生徒会を創っていってくれる人は、周りに流されないで、自分たちで考えて、自分たちのポリシーで芦間を創っていってください。よろしくお願いします。


18  ソフトボール部の紹介を  2008年04月21日(月)
 私も長い間女子のソフトボールの顧問をしていました。本校のソフトボール部は4月初めに行われた、公立校研修リーグで1部4位であったそうです。公立校大会は高体連主催の公式戦ではないのですが、大阪府下の公立(府立、大阪市立、衛星都市立)校の大会です。1部4位ということは、公立高校の中では4番目ということで、立派なものです。アテネオリンピックでソフトボールをご覧になった方はお分かりかもしれませんが、ソフトボールというのは、力の拮抗したチーム同士の試合では大量得点の入らないスポーツです。1-0とか2-1などというゲームが多いものです。ちょっとしたミスを防ぐことで、失点は最小限に防ぐことができます。tということは、ちょっとしたミスを防ぐと、公立のトップになる可能性も十分持っているということです。ぜひとも、公立1位になるように一生懸命練習をしてほしいものだと思います。時間があれば、私も練習を見に行きたいと思っていますが、腰痛があるのと、10年近くしていないので、もうノックは無理でしょうねぇ。

17  1年宿泊研修無事帰着  2008年04月19日(土)
 宿泊研修は19日、午後4時過ぎに全員無事帰ってきました。少し腹痛が出たり、車酔いをした生徒、小さいけがをした生徒もありましたが、大きな事故もなくよかったです。最後の、私の講評をメモしていた生徒もあるので、講評の要約を載せておきます。
 研修では生徒の良い面と悪い面の両方を見ることができました。1日目の全体ミーティングではほとんどの生徒が集中して、しっかり話を聞いており、メモもしっかりとっていましたし、後ろから見ていると、正確なメモをとっている生徒も多かったようです。しかし、2日目の朝の全体ミーティングではやや気がゆるんでいて、メモをしっかりとっていない生徒や、とっていてもメモの精度が落ちているのがわかりました。メモのをとって他人の話をしっかりとることは、これからのあなた方にとって重要なことです。大学へ進学する人は、大学の先生は高校の先生のようにきっちり板書などしてくれません。しっかり聞いてメモをとる訓練をしなければ、その授業の時間がむだになってしまいます。就職をする人はもっとメモは大切です。上司からの指示をしっかり聞いていなくて、まちがいをすればそれが会社の業績に影響を及ぼすことになるかもしれません。だから、しっかり話を聞きメモをとる練習をしてほしいのです。
 昨日のクラス別ミーティングにも、一部のクラスを見学させてもらいました。それぞれの人の発表がおもしろくて、全部のクラスに行けなかったのは申し訳ありません。生徒の発表の中で、なぜ芦間高校へ来たのかということについて、勉強の面から選んだという人、クラブから選んだという人、近いから、制服からなど様々な答えがありました。どのような理由でもかまいません。芦間で友だちをつくり、よい高校生活を送ってほしいものです。ところで、生徒の発表の中でひとついいなと思った発表を紹介します。それは、まだ自分の将来のことはわからないが、こんな大人になりたいというイメージはもっているという人がいました。このイメージは非常に重要なことだと思います。「こんな大人になりたい」というイメージを大切に育ててください。
 全体をとおして、感じたことは「心がきれいな生徒が多いな」ということでした。その心のきれいさをいつまでも保ち続けてほしいものです。考え方は大人になっていっても、心のきれいさは今のままでいてほしいのです。いろいろな人と話し、人のことを大切にし、今日のミーティングで見たみんなで力を合わせて創る学校行事や、一人一人の勉強を通じて、そのきれいな心を磨いていってください。そして芦間を卒業する時もきれいな心のままでいてほしいと思います。それがあなたたちの将来に生きてくると思います。
だいたい、このような要旨の話しをしました。よい研修だったと思います。

16  1年宿泊研修  2008年04月18日(金)
 今日は、1年生の宿泊研修についていっています。朝からの雨でキャンプファイヤーができるかどうかも心配でしたが、2時過ぎから雨がやんで、ファイヤーの準備も完了しました。生徒は到着してから、全体ミーティング、クラスミーティングと盛りだくさんで少々疲れたかなと思いましたが、体育館でのレクリエーションの大縄とびや、鬼ごっこになるとものすごく元気になって安心しました。
 クラスミーティングは全部のクラスを見学できたわけではありませんでしたが、生徒それぞれが自分の芦間にきた理由や、芦間で何をしたいかなどの発表で、生徒一人一人の気持ちが良くわかってたいへん良いミーティングでした。みんな心がきれいだなというのが印象です。
レーダーの雲の写真を見ると、もうあまり大きな雨雲はないので、キャンプファイヤーも、明日も無事に予定どおり、できそうです。車酔いなどで、少ししんどいという生徒がいますがみんな元気です。


15  3年生にチューター認証状を渡しました  2008年04月18日(金)
昨日は、放課後3年生の生徒34名に、チューターの認証状を渡しました。本校のチューター制度は、それぞれの生徒が自分の学力を伸ばしたい科目について、担当の教員が個別に面倒を見るというもので、なかなか優れた制度だと思います。認証状を渡した34名の生徒は、自分の目標に向かってぜひとも努力をしてほしいと思います。これらの生徒の多くは明確な志望校をもって勉強しています。最後まであきらめずに、楽な方向に流れないでモチベーションを持続することが大切なことだと思います。
これから1年生の宿泊研修についていきます。1年生の間から明確な目標をもって、努力してほしいと思っています。雨も止んだし、これから晴れてくると思います。


14  明日は遠足・宿泊研修  2008年04月17日(木)
 明日2,3年生は遠足に行きます。3年生は学校からバスで舞子公園へ、2年生は現地集合で神戸方面(南京町が多いようです)です。私もむかしクラス別の遠足に連れて行って、全員で新神戸駅北側の布引の滝まで行き、そこから、歩いて異人館街、イスラム寺院、トアロード、南京町、メリケンパーク再集合までの詳細なウオークラリーマップを作ったことがあります。ウオークラリーというのは、角を曲がる場所だけを示した切り図で、布引からメリケンパークまで48枚(A4版1枚に約24枚の図が入る)、途中にある案内板や建物などを観察したり読んだりして、いくつかの設問に答えるというものです。決められた時間に最も近い時間に帰ってきて(早くてもだめ、遅くてもだめ)、問題が全問正解のグループを優勝とするというラリーです。優勝グループにフロイントリープのパンを進呈することにしたら、みんな真剣に歩いていた記憶があります。センター研修で環境学習の講座を頼まれて、10年ほど前に島本町で、一昨年に門真でウオークラリーマップを作ったことがあります。私の住んでいる八尾のマップも作りました。島本と神戸のマップはもう古くなって使えなくなりましたが、門真と八尾のマップはまだ使えますので、興味のある方は連絡してください。
 1年生は明日から1泊2日の宿泊研修です。貝塚にある大阪府立少年自然の家で、朝全員バスで出発です。遠足や宿泊研修を通じて、交流の輪を広げてほしいものです。
 天気がちょっと心配です。明日午前中までは70%の降水確率になっていますが、昼からは確率が下がるので何とかなりそうです。天気図を見ると、前線を伴う低気圧の位置がほんの少し南に下がって通過すると曇りで、雨が降っても小雨程度だろう思います。


13  金曜から宿泊学習  2008年04月16日(水)
18日の土曜日から1泊2日で新入生の宿泊学習があります。場所は「貝塚少年自然の家」、みんなバスで行きます。芦間は総合学科ですので、大阪府全体(といってもあまり遠いところから来る人はほとんどありませんが)から生徒が来ます。中学校からは一人だけで、だれも中学の友だちがいないという人も多いようです。そこで宿泊学習を通じて、芦間を知り、友だちをつくり、これからの高校生活を楽しく充実したものにしていこうと思います。2日間ですが、クラスミーティング、キャンプファイヤー、飯ごう炊さんなどメニューは盛りだくさんです。周りの人のことを知り、たくさん友だちをつくってほしいものですが、この宿泊学習で友だちができなかってもあせることはありません。高校生活はまだ始まったばかりです。時間はたっぷりあります。私もついていきますので、現地からその時々の様子を報告したいと思っています。

12  財政再建プログラム  2008年04月15日(火)
 今日は一日中、研修と会議で学校には行けませんでした。ところで、大阪府のホームページ(http://www.pref.osaka.jp/)に、大阪府財政再建プログラム(試案)がアップされています。総額で1,100億円削減するということで、かなり大幅な削減が盛り込まれて、教育委員会分の削減案も示されています。学校の関係者でなければ、事業名などわかりにくいものも多々ありますが、一度ご覧ください。もちろん試案ということで、これから議論があり、すべてがこのまま本予算として成立するものではありませんが、現場にいる立場からすると、しかたないかなと思うものありますが、是非とも復活してもらいたいものもたくさんあります。どのような議論になるかしっかり見守りたいものです。


11  守口宿を歩きました  2008年04月14日(月)
土日は校長だよりを更新できませんでした。
先日せっかく守口の学校へ転勤したのだから、守口を歩いてみようと思い、まず守口宿を歩いてみました。京阪守口市の駅からしばらく行くと、陸橋がありますが、これが文禄堤の跡だそうです。この付近から数百メートルにわたって文禄堤の遺構が残っていますが、遺構が残るところは守口だけだということで、貴重な文化遺産です。歩いてみると堤の高さも非常によくわかります。
その文禄堤上が京街道守口宿の跡です。広重の浮世絵などから東海道は京都三条大橋で終わっていて、53次だと思われていますが、京街道も東海道の続きで、京都の後、伏見・淀・枚方・守口と宿場が並んで、最後が大坂になります。ただ、伏見−八軒家間は淀川水運もよく使われたようです。守口宿は今でも昔の街道の風情が残っていて、古い民家もいくつか残されています。最も古いのはおそらく江戸後期か明治前期の民家だろうと思いますが、「うだつ」のある民家も残っています。本陣は国道1号線とクロスするあたりにあったようですが、残念ながらもう残っていません。
古い民家を住みながら守ることは非常にむずかしいことのようですが、ぜひともこの宿場の町並みが永く残ってほしいものだと思います。


10  朝、生徒を見ていると  2008年04月11日(金)
入学式の次の日から朝の登校のとき、下足室周辺や自転車置き場に立っています。「おはよう」と声をかけるだけですが、生徒の動きが少し見えてきます。感心したのは @遅刻の少ないこと(まだ始まったばかりですからあたりまえかもしれません)。A自転車をきれいに並べることの二つです。もちろん先生方も周辺に立って、注意したり整理したりしていただいてはいますが、駅の自転車置き場のように傍若無人な駐輪がなくて、非常にきれいに駐輪場が使われています。便利なところにある学校なので、自転車通学者の数があまり多くないこともありますが、でもきれいに並んでいます。これはすごいなと思いました。
ところで、自転車についてちょっと情報を。自転車も車両ですから、当然不正な乗り方をすると処罰の対象になります。
・飲酒運転は(懲役3年以下または50万円以下の罰金)
・信号無視、自転車通行止めのところを走行、一時停止無視、右側通行(自転車は左側通行が原則)、安全運転しなかった(人に危害を及ぼす運転)、踏み切りで一時停止しなかったら(懲役3ヶ月以下または5万円以下の罰金)
・夜間の無灯火走行、不安定な乗り方(傘差し運転など)、右折・左折・進路変更時に合図をしなかったら(5万円以下の罰金)
・二人乗り、二台以上並んでの走行・歩行者の通行妨害(2万円以下の罰金又は科料)
 高校生がよくやる危険運転は二人乗り、傘差し運転、夜間の無灯火運転でしょう。意外に罪が重いので気をつけなければいけません。


9  ノーマライゼーションということ  2008年04月10日(木)
今日は一日雨でした。かなり強く降った時間もあったので、桜はかなり散りました。肌寒いので、葉桜にはまだ少し間がありそうですが・・・。ところで、本校には障がいを持つ生徒がいます。昨日の対面式でその生徒の紹介をするときにノーマライゼーションということばを使いました。ノーマライゼーションというのは障がいがあろうがなかろうが、みんな同じに生活できる社会があたりまえの(ノーマルな)社会であるという考え方です。しかし、当然、障がいを持った人には配慮する必要があります。障がいとひとくちでいっても人によって状況や程度は様々ですし、当然配慮のかたちも変わってきます。もし、何か困っている障がい者の方に出会って、「何かお手伝いをしなければ」と思ったらその人に直接「どのようにお手伝いできますか」とたずねればいいのです。なんでもないことです。道を尋ねられた人に、道順を教えるのと基本は同じです。
私の前任校には「知的障がい生徒自立支援コース」があって、平成18年度から知的障がいのある生徒を毎年2名ずつ受け入れていました。今年は最初の年に入学した生徒が3年になります。卒業後のことを考えなければならない年ですが、知的障がいのある生徒の就職は非常にむずかしい状況です。日本の社会にはノーマライゼーションという考え方がまだ根付いていないのでしょう。
斯くいう私も、障がいのある息子をもっています。今は23歳ですが、肢体不自由と知的障がいの重複があって今も寝たきりです。でも、障がいがあるから不幸なのではなく、「ぼくは幸せだな」と息子が思うように家族みんなで育てているつもりです。2~3ヶ月に一度東京のお医者さんにつれて行く必要があるので、たまに金曜日に休みを取ることになると思います。


8  離任式・対面式そして新入生歓迎  2008年04月09日(水)
 朝は離任式でした。10人の先生方がご転任、ご退職になりましたが、その内3名の先生が離任式に出席してくださいました。どの先生も芦間高校での思い出と、芦間の生徒への思いを話していただきました。どの先生も芦間高校が好きだったのだということが伝わってきました。転任されてからも、お元気でご活躍ください。公務等でお越しいただけなかった先生は、歓送迎会で・・・・・。
対面式は万事生徒会が仕切ってくれました。1年生はまだ少しとまどっているようですが、そのうち慣れてくるでしょう。それにしてもこの学校は生徒がよく動くなぁというのが印象です。昼からは、新入生歓迎会でクラブの紹介がありました。それぞれのクラブのパフォーマンスはよく工夫して面白かったですね。お笑い系で攻めるクラブはなだぎディラン・マッケイや、世界のナベアツやローテーショントーク(これはあまり流行ってないですが・・・)など、今流行っているお笑い芸を使ったものが多くて、生徒もなかなかに芸人です。小島よしおが少なかったのもよかったですね(もう飽きてきましたからね)。クラブのかっこよさから攻めるクラブは、見ている人がホーゥと感心していたものが多かったようです。そして非常にまじめに紹介をするクラブ、派手なパフォーマンスの中に入って逆によく目立ってよかったと思います。明るく派手にいくのも好きですが、こういう生真面目さも私は好きです。クラブのパフォーマンスはどこの学校でもやっていると思いますが、新入生の周りに各クラブがブースをつくって、新入生は最低一つ以上のクラブの話を聞いて、スタンプを押してもらうという方法はなかなか工夫されているなと感じます。新入生が部活を見に行くのは少し勇気がいるものですから、ブースでの話なら入っていきやすいでしょう。
 新入生もぜひともクラブに入ってほしいと思います。部活への入部状況と進学状況は意外によくリンクしていて、最後まで部活を続けている生徒のほうが大学への合格率が高くなっているようです(一度詳しくデータをとる必要があります)。人間は忙しいときほどよく勉強や仕事ができるものなのです。忙しいほど時間の割り振りを考えて勉強ができ、部活も勉強も両立できれば達成感が違います。「勉強するからクラブをやめる」といってやめた人で、よく勉強した人というのを私はあまり知りません。


7  今日は始業式、そして入学式  2008年04月08日(火)
今日の朝は1学期の始業式、午後は入学式でした。天気もよくなり、桜も残っており、穏やかな入学式でした。式辞はくどくどしゃべらないで、できるだけシンプルにしたいと思っていたので、ちょっと短かったかもしれません。式辞の内容の要約を載せておきます。

皆さんを迎えるにあたって、お話ししておきたいと思うことが三つあります。
 一つめは、あなた方が入学したこの芦間高等学校を好きになってほしいということです。三年生の最後にこの学校にきてよかったと思えるように、充実した楽しい高校生活を送ってほしいのです。学校へ行くのが楽しいと思う、そんな高校生になってほしいのです。
 二つめは、高校生の間に、たくさんのことに興味を持ってほしいのです。さまざまな選択科目の授業を受けることだけがあなた方の興味を満足させるものではないはずです。興味を持った事柄については自分で、本を読み、調べ、考えてほしいのです。そのためにもたくさんの本を読んでほしいのです。三年間でこの本に出会ってよかったという本が何冊か見つかれば、あなた方の高校生活における読書は成功したといえるでしょう。
ここで私の出会った本のうち「ゲド戦記」の紹介をします。ゲド戦記の第一巻はあなた方と同じ年代のゲドという少年が自分の影、つまり自分の中にある負の部分と戦いながら成長していくというお話です。映画化された第三巻ではなく、ぜひ第一巻を読んでください。そして、もし本を読むなら声に出して読んでください。声に出して読むことで、本の内容は黙読するよりよく頭に入ります。本は黙読するのと音読するのでは大脳の使われる部分が異なり、音読することで、大脳前頭葉連合野が活性化します。この部分は人がものを考え、その考えによって行動するのに最も重要な部分です。子どもから大人になる高校生にとって、この部分を活性化させることは、自分の考えと行動に責任を持つためにも、とても重要なことです。 ぜひ、音読を勧めます。
最後の三つ目にお話ししたいことは「聞く」ということを大切にしてほしいということです。今は相手とコミュニケーションをとるのに、メールでのやりとりがあたりまえで、他人の話を「心をこめて聴く」ということがなくなっています。授業での先生の話はもちろん、友だちとの会話も、相手の話を「心をこめて聞いて」ほしいのです。心をこめて聴くと相手の心がとよくわかります。こうすることで人との関係が円滑になります。
今日のこの入学式の清々しい気持ちを忘れずに、楽しい充実した高校生活を送ってください。
 お忙しい中、入学式にお越しいただいたご来賓の方々、大変ありがとうございました。今後とも芦間高校をよろしくお願いいたします。


6  明日から始まります  2008年04月07日(月)
明日からいよいよ新学期が始まります。明日の始業式、入学式に向けて学校の桜は満開、昼からの雨もあまり強い雨ではなくて花も散ることはなかったようです。
2年生はいよいよ先輩と呼ばれます。ただどうしても中だるみになりやすいので、気を引き締めて欲しいものです。
3年生は勝負の年といってもいいでしょう。自分の進路に向けてしっかり勉強しないと・・・・・・。ここでのがんばりが、これから先の人生を決めるかもしれないのですから。
と、明日の始業式には話をしようと考えています。


5  今日はお花見会です  2008年04月05日(土)
今日はお花見の会です。よい天気で温かくて、最高のお花見日和になりました。茶道部からお茶をいただきました。このあと吹奏学部の演奏や、PTA・後援会・同窓会の喫茶コーナーもあります。2時ぐらいまでやっていますので、お越しください。
ところで桜といえば井伏鱒二の漢詩の名訳を思い出します。
勧君金屈巵  この杯を受けてくれ
満酌不須辞  どうぞなみなみ注がしておくれ
花發多風雨  花に嵐のたとえもあるぞ
人生足別離  さよならだけが人生だ
この詩の「花」は桜ではないようですが、私には桜に思えます。
また、西行の有名な句 願わくば花の下にて春死なむ その如月の望月のころ も思い出します。井伏鱒二の訳の心も、西行の句もどうも桜というのは「散ることのはかなさ」の方が日本の人の心に合っているようです。ついでに、西行ゆかりの弘川寺(外環状線、富田林の新家交差点から山の方へ、ワールド牧場の少し東)の桜も見事です。芦間より標高が高いので来週ぐらいが見ごろかもしれません。機会があればぜひ行ってみてください。


4  今日は一日校長会  2008年04月04日(金)
 今日は朝から校長会の会議がほぼ一日続きました。席上で、教育委員会からも説明がありましたが、大阪府は財政状況が悪く、新聞報道などでもご存じのように、7月までの暫定予算というかたちで今年の学校は動き出しました。どの学校も財政面で苦しいことがありますが、教育の質を落とさないようにしないといけないと思います。橋下知事は大阪の教育を一番にするというのが目標だと聞いていますので、これからの学校支援に期待したいと思います。ところで明日は、お花見の会です。私も朝から出勤します。まだ、4月に赴任してあまりたくさんの生徒には会っていないので、楽しみにしています。

3  今日は新入生の健康診断  2008年04月03日(木)
今日は新入生の健康診断でした。新入生が登校するので、朝早くから正門でクラブ勧誘のビラ配りが始まっていました。たくさんの新入生が部活動に参加してほしいと思います。健康診断は、午前中は胸部レントゲン、心電図、視力、午後からは内科検診と身長・体重等計測があり、3時すぎに終了しました。私が高校生の頃は心電図の検査はなかったと思います。今の生徒は、計測機器がよくなったおかげで色々な検査ができるようになって、そういう意味では恵まれています。
生徒の健康状況のチェックはもちろん大事なことですが、小中学校と違って、高校生には自分で自分の身体をきっちり管理してほしいものだと思っています。部活動の前後の身体の管理や、日常生活での身体の管理は高校生ならできて当然のことなのですが、なかなかできない人が多いようです。朝、なかなか起きられずに遅刻が多くなる生徒はどの学校にも必ずいます。本校で昨年の遅刻件数は述べ4,000件を少し越えるようですが、この数値は他校と比較して少ないほうだと思います。全府立高校の遅刻件数の平均値のデータは見たことがありませんが4,000よりはもっと高いと思います。この数値は当然、減らしていきたいと考えていますが、遅刻常習の生徒の遅刻回数が減るとかなり改善できるだろうと思います。


2  桜は七分咲き  2008年04月02日(水)
学校の桜はもう七分咲きぐらいでしょうか。薄桃色の雲のようになりかけています。
今朝の職員研修では、生徒が満足してくれる学校にしたい、自分の進路を実現するために生徒にしっかりした学力をつける学校にしたい。という話をしました。本校はどの先生方もさまざまな場所できっちり仕事をしていただいているようなので、心配はないと思います。昼からは明日の新入生検診のために、学校医さんのョ先生にご挨拶に行って来ました。三年間みんな元気に過ごして欲しいと願っています。
ところで、昨日書き忘れたことがあるので少し追加します。私は地理の教師だと書きましたが、昨年度も一昨年度も前任校で大阪市内を歩く見学会をしてきました。一昨年は@JR大正駅から天保山の渡し船を渡って大阪港駅まで、A天王寺から上本町までの上町台地、
B天王寺から住吉大社までの上町台地南部、昨年度は忙しくて1回だけでしたが 北浜から本町まで大阪市内のオフィス街にある明治〜昭和初期に建てられたレトロモダンビルの案内をしました。今年も機会があればご案内をしたいと思っています。ただ、守口から京阪沿線はほとんど土地観がないので今年は無理ですが、また勉強しておきます。よろしく


1  はじめまして(ごあいさつ)  2008年04月01日(火)
 4月1日に芦間高等学校へ赴任した校長の嶋中です。昨年度まで、本校と同じ改編統合校である八尾翠翔高校に教頭として開校から6年勤務していました。教員経験約30年で、そのすべてが旧5学区の学校におりましたので、守口市はほとんどなじみのない場所なのですが、もともとは地理の教師ですので、フットワーク軽くどこへでも出かけていって、芦間のよいところをアピールしたいと思っています。今日も早速、昼休みに桜の咲く道を抜けて、淀川の河川敷まで出かけて見ました。都市の中の学校ですが、環境のよいところにあるなぁというのが第一印象です。
 腰痛持ちですが、身体は丈夫、ストレスがあまりたまらないたちです。新任校長でまだ自分の力のほどは計りかねますが、一生懸命芦間を盛り立てるためにがんばりますので、よろしくお願いします。






大阪府立
芦間高等学校
歴代校長だより