イギリス・ウェールズ日本語教室だより


芦間高校の乾先生がイギリスのウェールズのアベリストゥイスという街で、現地の高校生に日本語を教えています。
現地の学校の様子や、ウェールズの高校生がどんな生活をしているのか、どのように日本語を学んでいるのか、日本の何に興味があるのかなどの様子をご覧いただけます。
13  日本語教室だより Vol.12  2012年01月19日(木)
Croeso!(ようこそ!) 日本語教室だより第12号です。

Blwyddyn Newydd Da!!! (A Happy New Year!)
日本のみなさん、明けましておめでとうございます。
任期もはや、残すところ3か月となってしまいました。
残り3か月間、今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

年が明けて日本ではお正月モードも過ぎ去ったころでしょう。
こちらでもクリスマスが終わり、ニューイヤーのカウントダウンが終わり、
新学期が始まりました。
お正月・・・なんてモードは一切ありません。
メインはクリスマスです。

ということで、少し季節感が薄れますが、

・日本からのビデオ、カード感謝!
・イギリスのクリスマス
の2つでお送りします。

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日本からのビデオ、カード感謝!
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芦間高校のESSのみなさんが作ってくれたビデオ、ちゃんと届いています。
素敵な明るいビデオありがとう。
おもしろいオープニングもあって、こっちの生徒もみんな笑っていました。

12月は学期のまとめということで
授業でみなさんの自己紹介のビデオをみて、
それに対して、こちらの生徒たちが日本語で自己紹介を行い、
それをビデオに録画しました。
日本語を初めて3か月、しかも週1回50分、
ということで実質授業は8回ほどしかありませんでしたが、
それでもウェールズの生徒達、今まで言えるようになったことを精いっぱい使って
自己紹介をしました。
名前、年、国籍、趣味、など本当にシンプルなことしか言えませんが
生徒たちはみんな楽しんでビデオを作成していました。
少しネタがばれてしまうのですが、
アドリブで、「こんにちは!日本!!!」といった男の子がいて、みんなで大爆笑。
名前を言う際に、「私はリニーです か?」と「か」を付けてしまった女の子がいて
思わず吉本を思い出してまたまた私、大爆笑。
非常に楽しいビデオになりました。
なんと!こちらで作ったビデオはすでに日本へ送っています。
ESSの人も、そうでない人も、興味がある人はぜひ見てみて下さい。

後、みなさんに作っていただいたクリスマスカードたちもしっかりと受け取りました。
とても時間をかけて、素敵な素敵なカードを作ってくれて
本当にどうもありがとう!
どれもこれも、素敵な仕上がりです。
このカード、1〜3月の間にこちらの授業で使用し、生徒一人一人に渡し、返事を書きますので楽しみに待っていてください。
乾宛てにカードを書いてくれた人たちもいて、涙がちょちょぎれる嬉しさです。
Diolch yn fawr iawn (Thank you so much)!!!!

しかしながらですね、私感動したのですが、
芦間のみなさんのカード、非常に非常に!クオリティが高い!
サンタがいたり、クリスマスツリーが飛び出したり、
とっても独創的で楽しいカードたちです。

日本人、字を書くのも、絵をかくのも、何か作るのも、みんな一通りできますよね。
でもイギリス人、そうはいきません。
絵なんて棒人間だけ!だったり、切って貼って、あんな素敵なカード作るなんて
本当に夢のまた夢!なのです。
もしあなたがあまり飾りっ気のないカードを受け取ったとしても
やる気がないわけではないので気を落とさないで下さいね。
育ってきた環境の違いです。
彼らも彼らなりに一生懸命なので、その辺、ご理解下さいね!

日本語の授業ではひらがなをやっと終え、
1月からはもっと早く読めるように練習をします。
こんなに当たり前に日本人みんなが読めるひらがな、カタカナ、漢字。
実は相当にむずかしい代物だということに、
イギリスに来て改めて感じました。
想像してみて下さい。
新しい言語を習い始めたとして、
100個のアルファベット(しかも今まで全く見たことのないようなもの)
まず全部覚えましょう、なんて言われたら、日本人でも気が遠くなる話です。
イギリス、ウェールズでみんな頑張って勉強していますよ!


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イギリスのクリスマス
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昨年は”Father Christmas”とはだ〜れだ。というクイズを皆さんに出しました。
ジャジャン、では今年の問題です。
このクリスマスお父さん、ウェールズ語ではなんというでしょう。



答えはショーンコーンです。なんとなくおいしそうな名前だと思いませんか?

授業でクリスマス会(毎年恒例)を行った時に
折り紙サンタを作ったんですね。
そして、「サンタさんです。」と紹介したら、
サンタにまでさんづけなのかと感心されてしまい、
挙句、赤鼻のトナカイを歌ったら
トナカイさんまで・・・とそれはもうびっくりの様子でした。
日本人は本当に礼儀正しいですね。
おいもさんも教えりゃよかった・・・と反省中です。

年賀状とは違い、クリスマスカードは職場、学校、近所などでは
プレゼントと一緒に手渡しです。
そしてもらったカードたちは家族のリビングなどクリスマス中、リビングに飾られます。
写真も載せましたのでご覧になってください。

学校の最終日は終業式ではなくクリスマスサービスが街の教会で行われます。
普段は一切教会等とは関わりのない学校ですが、この時期は特別。
学校の全員が教会で集まり、
詩を読んだり、キャロルを歌ったりします。
昨年度は大雪で休校のため見られませんでしたので
今年は見れて良かった。

このサービス、すごかったのが先生がマイクをただの一度も握らなかったこと。
生徒たちが壇上に上がって司会をし、
誰に指示されるもなく順番に歌ったり、詠んだり、
本当に自主的なサービスでした。
先生たちの出番はたったの一回、教員キャロルコーラスのみです。
ウェールズでは、セレモニーやイベントはすべて6thフォームの生徒が仕切り、
自分たちの力で仕上げます。もちろん先生に相談したりはしますが
基本的には自分たちの力。できるんですね。
そしてそんな上級生を見て育っている7年生(13歳)、8年生たち(14歳)も
自分たちの番になると、できるんですね。
日本でもこんな行事の進行ができればとても素敵だな、と思わずにいられません。

クリスマスと言えばターキー。
25日は家族そろって2時ごろターキーを食します。
もう定番中の定番。これがなきゃクリスマスとは呼べません。
去年も書きましたが、クリスマスは恋人たちのものではありません。
家族団らんの日です。
クリスマスイブもありません。普通の日です。
25日は家でゆ〜っくりするのです。
26日はBoxing Dayといい、
ショッピングモールなどではバーゲンが行われますが
それ以外はほとんど閉まっていますし、
家でゆっくりする日なのです。

やっぱり日本のお正月と本当によく似ている・・・

クリスマス前にはクリスマスフェアが街にやってきます。
道の両側にどわ〜〜〜っと並べられる小さいお店でクリスマスショッピングをしたり、
どこからやってきたかわからない移動式遊園地の乗りものに乗ったりして
クリスマスの季節がやってきたことを実感するのです。
この移動式遊園地の乗り物たち。
普通にグルグル回るものやなんだか怖いスピードで回るブランコのようなもの、
日本の遊園地でみる絶叫系の乗り物の小さいバージョンなのですが、
なにせトラックが土台。不安定にもほどがありますし、どこから見ても作りが不安!
安全性も不安!
日本の大きな絶叫系の乗り物に乗るよりよっぽどスリル満点です。


今月も最後まで読んで下さってありがとうございました。
感想ご質問、知りたいこと等、左の欄のお便りからお待ちしています。
それではまた、来月お会いしましょう。
Hwyl fawr!!!!(Good bye)
Gwelai chi mis nesa! (See you next month!)

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今月の写真
・クリスマスカードinリビング
・学校のクリスマスサービスin教会
・クリスマスディナー
・クリスマスフェア

おまけ
・ロンドンで見たサンタの群れ!
なんとこの日、チャリティーの一環でどれだけのサンタが集まれるかギネスブックに挑戦していたようです。びっくりした。
・世界最北端のマクドナルドinラップランド
ちなみに私の腕が作っている形はMですね。マクドナルドのMですね。


12  日本語教室だより Vol.11  2011年11月29日(火)
Croeso!(ようこそ!) 日本語教室だより第11号です。

9月に始まった学校、10月には早くもハーフタームという1週間のお休みがあります。
いつ勉強すんねん、という感じです。
今月はそんな学校の、旅行についてお話します。

ということで
・日本語の授業続いてます。
・美術旅行inパリ
・日本は京都への短期研修旅行
の3つでお送りします。

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日本語の授業続いてます。
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ひらがなを「なにぬねの」あたりまで終えたので、
「いぬ」が好きか、「ねこ」が好きか聞いてみたところ、
ほとんどの生徒がいぬの方が好きと答えました。

そしてほとんどの生徒がいぬを飼っていると答えました。
いぬの他にも、ねこ、とり、うさぎ、さかな、うま、ひつじ、などがペットとしては人気があるようです。
あ、ひつじはペットじゃなかった。飼っているのには間違いないですが。


毎回の授業の最初にウォームアップとして
挨拶カード争奪戦と称して、誰がカードに書いてある挨拶を日本語で答えられるかという競争をしています。
これが毎回盛り上がる盛り上がる。
わたしにはおはようございますを言えないくせに、この時はボリューム最大で
「おはよございます!!」って言っています。かわいい限りです。
人気があるのは「どういたしまして」
発音しにくいので、ラップ調に「ドイタシマシテ!Yo!」って歌ったら大人気になっちゃいました。

日本語の授業ではノートに何かを書いたり、「ハイ今日は否定文をやります」という文法メインの学習をしません。
フレーズを習って、なんとなくいつの間にか新しいフレーズを習って、なんとなくいつのまにか文法を身に着けている、というさりげなさを常に取り入れています。
せっかく日本語を学ぶのだから、楽しんでもらいたい、という私の気持ちです。

こちらの外国語の授業は主にそのような方法が用いられています。
今日は「家の中にあるものを表現しよう」とか、
「好きな教科と嫌いな教科、その理由を発表しよう」とかという風に
何かを表現することを通して、それに必要な文法事項を身に着けるのです。
難しく言うと、タスク型、シラバス型の学習法と言いますが、コミュニケーション力をあげるにはこの方がいいと思いませんか?!

生徒たちは、名前、国、職業を習い、
ですか。の質問に対して、「はい、・・・です。/いいえ、・・・ではありません。」
を言えるようになったばかりです。
この「ではありません。」覚えにくいみたいでなかなか曲者です。


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美術旅行inパリ
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ハーフタームの期間を利用して実施されたパリへの美術選択者旅行に
付き添って行ってきました。
ウェールズの学校の旅行は、希望者のみの選択制です。
なので学年全員での修学旅行のような大きな旅行はありません。
1年間で一番大きな旅行はヨーロッパへのスキー旅行ですが、
(去年はフランス、今年はオーストリア。うらやましすぎます)
今回はその次に大きなパリへの美術旅行へ同行させていただきました。

イギリスはヨーロッパの大陸とほぼ陸続き。
ドーバー海峡から海底トンネルを渡るとそこはフランス、なのです。
トンネルはバスごと電車に乗せられます。
その様子は写真にて。
学校の旅行の移動手段はバス。
今回は朝の5時学校出発で、パリまで16時間のバスの旅でした。

この旅行は美術選択者のための旅行だったため、
ルーブル、オルセー、ポンピドゥーの美術館めぐり、
モンマルトルの丘(通称芸術家の丘)のガイド付き散策、
市内でのスケッチ学習など、美術的な要素が満載の旅行でした。

こちらの旅行はすべて教科ごとです。
教科の先生がプランをたて、希望者を募って旅行へ行きます。
規模は1日の遠足から4泊5日のパリ旅行、7泊8日のスキー旅行まで様々です。
教科ごとのため、実際に知識を深めるまさに「修学旅行」なんですね。

今回は10年生から13年生までの生徒が参加しました。
そう、多くの場合、1学年だけではなく全学年または対象学年が幅広く、
友達同士だけでなく、他学年との交流も図ることができます。
高学年がリーダーシップを学べるチャンスになります。
こちらのセカンダリースクールは日本でいう中高一貫校、なので
上級生がリーダーシップを取って学校を運営する、という取り組みが非常に多いのです。

この旅行で驚いたのが、指示や予定がものすごく少ないということです。
日本とは違い、事前や旅行中の計画は最小限、
生徒たちはしおりをもらうのではなく、服装・出発帰宅日時・旅行概要・緊急連絡先などが記載されたプリントをもらい、部屋割を聞かされる程度で出発します。
集合時間などについても、生徒への催促が非常に少ないです。
一見時間を守らなさそうですが、
教員の指示がなくても全員時間どおりに指定場所に集合していました!
自主性を学ぶいい機会になっているんでしょうか。
あまりやいやいい言う必要なんてないのかもしれませんね・・・

食が有名なフランスですが、一日目のホテルの食事には、もうあいた口がふさがらないシンプルぶりでした。ステーキか、サーモン、バーガーが選べたのですが、
サーモン、びっくりですよ。
働かないで有名なフランス人、
予定していた美術館がストライキ。次の日も挑戦しましたがまたストライキ。
しょっちゅうそこらでストライキです。
ディズニーランドパリスにも行きました。
ディズニーランドと言えば、ビッグサンダーマウンテン。
これまた動いておらず。動かす気もなく。働かないんですね。
でもディズニーで一番驚いたのは、並ぶ人の少なさ。
日曜日に訪れたにも関わらず、最高待ち時間はピーターパンライドの65分。
スペースマウンテンは常に20分弱という驚異の並ばなさでした。
スペースマウンテン、世界で一番の出来です。
4回も乗ってしまいました。
にも関わらず、この待ち時間。脅威です。
待つのが嫌いなヨーロッパならではのディズニーといえるでしょうか。

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日本は京都への短期研修旅行
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私のいるアベリストゥイスの街は、京都の与謝野町と20年以上に渡って、お互いの街を行き来する交流が行われています。
昨年度は与謝野町から高校生が6名訪れました。
今年はアベリストゥイスから、高校生が与謝野町を訪れる番でした。
2校(しかない)高校から計7名の希望者がハーフタームを利用して日本を訪れました。
事前には日本語講座、日本での覚えておくべきこと講座などを3回に渡って行いました。
簡単なフレーズや、自己紹介、
そしてお風呂の入り方、いかに日本人がゴミを残さないかなど、
色んな話をして高校生たちを日本へ送り出しました。

日本では、地元の高校や幼稚園を訪れたり、弓道や彫刻に触れたり、
着物パレードに参加して地元の新聞に載ったりしたアバの高校生たち。
大阪にも来て大阪城を堪能。パネルで写真も撮っていました。
広島にも行き、平和や戦争についても知識を深めてきました。

ですが、やっぱりここでは彼らの感じたカルチャーショックを書くべきですよね。
ずばり日本人って・・・

日本の体育の授業、みんな一直線に並んでる!
言葉が通じなくてもみんなやさしい。(付き添いの先生なんかは旅館で言葉通じないのに仲居さん達と大笑いしたそうです)
天ぷらっておいしいのね!
全てに真剣。特に、クラブ活動!あんなに真剣に毎日できるなんて信じられない。
着物のぞうりってなんであんなに痛いの?!
正座ができない。着物であぐらをかいちゃったウェールズ人女子二人。
お土産大好き日本人。私に言われてものすごくたくさんのお土産を持って行ったのに、帰ってくるときにはなぜかもらったものの校が多かったと。
日本の幼稚園児、世界一かわいい!
先端の建物がたくさんあるのに、お寺などの古いものも当たり前に残っている。ウェールズには着物着る文化も、お寺を参る文化も残ってない。
みんな我慢強い。日本語話せないのに、めちゃくちゃ辛抱強く聞いてくれた。
タコ〜食べれない。でもたこ焼きはおいしかった。中にタコが入っていると知るまでは。
なぜマスクをするの?潔癖症のように感じた。イギリスでは絶対に見ない。

マスク。やはり、話題に上がります。
豚インフルエンザの時に、短期海外交換留学に行っていた高校生たちが
「なぜマスクをつけていなかったのか!」なんて責められていましたが、
本当に、マスクを着けている人なんて、
歯医者以外で見たことないのです。だれも。
本当にいないのです。

そんなカルチャーショックを乗り越え?楽しみ?
日本を満喫した高校生と大人一人が興奮気味に教えてくれました。
なるほどな、と思うことから
へ〜と思うことまでいろいろでした。
みなさんにとって一番へ〜と思うのはどれですか?

今月も最後まで読んで下さってありがとうございました。
感想ご質問、知りたいこと等、左の欄のお便りからお待ちしています。
それではまた、来月お会いしましょう。
Hwyl fawr!!!!(Good bye)
Gwelai chi mis nesa! (See you next month!)

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今月の写真
・ユーロトンネルを渡る電車
・フランスのホテルでのしゃけごはん
・日本旅行、幼稚園での太鼓体験
・日本旅行、中学校での柔道体験
・日本旅行、茶道体験
・日本旅行、さ〜〜〜どこでしょう!


11  日本語教室だより vol.10  2011年10月17日(月)
長い間お待たせしていました。
長い夏休みが終わり、
ウェールズでは9月から2011年度が始まりました。
Croeso!(ようこそ!) 日本語教室だより第10号です。

ウェールズの学校では9月から新学年が始まりました。
小学校から上がりたての7年生たちが大きなリュックに背負われて廊下を歩き、
6thフォームになった上級生たちが不思議と以前より大きく見えます。

今月はウェールズの学校についてもう少しお話したいと思います。
ということで
・日本語の授業始まる
・ウェールズバカロレア制度
・イギリスで生活するということ
の3つでお送りします。

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日本語の授業始まる
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今年も日本語の授業が始まりました。
生徒たちが自分の時間割を決めた後、私が各学校に出向いて行って、
日本語を学ぶとこんないいことがあるよ〜というプレゼンをしました。
プレゼンの中で一番重きを置いたのは日本語の授業を受けることで
少し「人と違う!」ことを知ることができるということ。
ウェールズ内の高校で毎週日本語の授業を設けているところはおそらく
私の行っている3校のみ。
それはつまり、大学への入学申請書類に「日本語を習ってました」と書けることが
彼らを他の人より興味深く見せてくれるということです。
人と違うということは、それだけ面白いのです。
そしてみんな人とは違う自分だけの何かを見つけたがっているのですね。

結果、去年の倍ほどの人数の人がもうしこんでくれ、
こちらとしては少してんやわんやです。
一つの学校では今年は全員日本語を習わせる!と意気込んでくれました。
ですがその学校へ行くのは週に1回。なかなか時間割の調整が難しいです。
でも嬉しい悲鳴ですね。

現在生徒たちは簡単な日本語の挨拶や自己紹介を習っています。
クリスマス前にはぜひ芦間高校とビデオ自己紹介の交換をしたいと思っています!

今年は去年にまして、日本の文化的な話をたくさん取り入れることにしました。
レストランでの注文の仕方から、
なぜ日本人がいつも「すみません」を使うのか。
折り紙や歴史の話、毎回の授業にいろんなものを組み込んでいます。
鎖国の話をしたときは全員の目が点になっていて面白かったです。

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ウェールズのバカロレア制度
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国際バカロレア資格というのはスイスやフランス、また全世界の多くの学校で利用されている、いわゆる高校卒業にあたる資格です。
各教科の学習の他に、
地域奉仕や国際活動、労働体験、ボランティア、パソコン、等を通して広く知識を持った人材を育てるために作られた資格で、日本でも意外と多くの大学がこのバカロレア資格を入学資格の一つとして認めています。
フランスなんかではこれが全国統一試験も兼ねていて、生徒たちは日本でいうセンター試験に臨むのと同じくらいの意気込みで臨みます。

学校外での活動を通して何かを学ぶというのは非常にいい活動じゃあないか、と
ウェールズでも2006年からバカロレア制度が導入されています。
イギリスでは大学に入るのに全国統一のAレベルの試験を受けなくてはならないため、
ウェールズバカロレア制度は、試験等を一切省いた、様々な活動を行う制度としてはじめられました。

生徒たちは1週間の労働体験や、ボランティア活動、老人ホームや自分たちより下の年齢の子供たちなど、広い年齢層と関わること、パソコンスキルやスポーツ、国際交流など様々な活動を選んで行い、6thフォームに在籍する2年間で120時間以上のポイントを手に入れなければなりません。
大変な時間数ですよね。

その中の言語活動というジャンルの一つとして私は日本語を3つの学校に提供しているわけです。今までに習ったことのない言語や文化に20時間以上触れる、というのが目的です。
普通は年度終わりの3日ほどを使って、丸3日間、スペイン語や日本語、手話や点字など、普段の学校で習わない言語と文化に触れますが、私はこれを毎週1回、年間を通して行っています。
ただ3日間まとめてちょちょっとやるよりも、その方が彼らの中に根付く意識が強まりますよね。
また下の学年向けに行っている昼休みもクラブ活動の手伝いや、日本の学校との交流なんかもバカロレア制度のひとつとして換算できます。
まさに日本語取るのは一石二鳥!

と言って、たくさんの受講者を確保したわけです。

日本でも総合の時間等を使って行われるものもありますが、
みなさんはこの制度、どう思いますか?


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イギリスで生活するということ
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イギリスはとても小さい国ですが、本当に多種多様な人が住んでいます。
ロンドンなんかは日本人も3万人いて、生粋のイギリス人の方が少ないと聞いたことがあります。インドやパキスタンからの移民も多く、あちこちでいろんな言語が飛び交っています。
言葉だけでなく、なまりも様々です。
一つの地域から30分離れたもう一つの地域では発音となまりが全く違うのがイギリスです。
そんなイギリスだからこそ困るのが・・・
コールセンター。
今月家を引っ越したり、車の保険を更新したりで何かとコールセンターにお世話になることが多かったのですが、
なんせ、なにをしゃべってんのか、さっぱりなのです。
とても外国なまりの強い英語・・・ならまだしも、イギリスの田舎地方のなまりや、スコットランド、アイルランド、みんなものすごい強烈ななまりを持って、それでして、標準語なんてありやしません、みなさん彼ら独自の話し方でコールセンターのサポートをされています。なかでも本当にまっっっっったく何を言っているのかわからないのがヨークシャーなまり。もうどうしようもありません。
するとどうなるか、というと、
困っているからコールセンターに電話してるのに、3回も4回も聞き返しても、一切何を言ってるかわかんない、そしてさらに困ってしまう、という状況に陥ります。
こっちもイライラ、向こうもイライラです。
最初は私の英語力の問題なのかしらと思って、こちらの友人に助けてもらったのですが、
その人もギブアップ。
やっぱり何をいってるのか、皆目見当がつかないようでした。

テレビを見ていてもそう。先生もそう。
英語の先生がスペルテストをしようと、単語を発音したけれど、
その発音がアイルランドなまりすぎて生徒に伝わらず、10回以上言った挙句、
結局黒板にスペルを書いてしまったと。(テストの意味がない)

イギリスってそんなところなんですね。
そのまんまでいいんです。
もうそう思うしかない今日この頃です。

今月も最後まで読んで下さってありがとうございました。
感想ご質問、知りたいこと等、左の欄のお便りからお待ちしています。
それではまた、来月の月初めにお会いしましょう。
Hwyl fawr!!!!(Good bye)
Gwela i chi yr mis nesa! (See you next month!)




10  日本語教室だより Vol.9  2011年06月20日(月)
更新が遅れて申し訳まりません。
Croeso!(ようこそ!) 日本語教室だより第9号です。

先月もお伝えしたように5月はほとんど授業がなくテストの月です。
なので、普段の授業はお休み。
小学校や他の教科の授業にお邪魔して日本の紹介をしていました。
今回はテストについて触れようと思っていたのですが、
あまり堅苦しくならないよう、普段触れないこと
・ウェールズ語基礎講座
・ウェールズの食事
・ウェールズのスポーツ
についてお伝えしようかと思います。


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ウェールズ語基礎講座
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Bore da. (= morning good) ボレダ おはよう
Prynhawn da. (= afternoon good) プナウンダ こんにちは
Noswaith dda. (= evening good) ノスウェイサ こんばんは
Nos da.(= night good)     ノスダ おやすみ

Pwy dych chi? (=Who are you?) プイダヒ? →名前を聞くときに使う。
英語ではとても失礼ですが、ウェールズ語では特に失礼には当たりません。
○○ dw i.(=○○ I am)  ○○ ドゥイ 私は○○です。

Ble ydych chi’n byw? (=where do you live) ブレダヒン ビウ?
Dw i’n byw yn △△. (= I live in △△)   ドゥイン ビウ オン △△
O ble ydych chi’n dod? (= from where do you come) オブレ ダヒン ドッド?
Dw i’n dod o Siapan. (= I come from Japan) ドゥイン ドードー シャパン
Dw i’n myfyriwr. (= I am a student) ドゥイン メヴァリウル
Dw i’n sharad Siapaneag a Saesneg. (I speak Japanese and English)
ドゥイン シャラッド シャパネグ ア サイスネグ
Ydych chi’n sharad Cymreag? (=Do you speak welsh)  ダヒン シャラッド カムライグ?
Ydw, tipyn bach.(Yes, a little) アドゥ ティッピンバッハ
Nac ydw. (no, I don’t)  ナッカドゥ

これでもしどこかでウェールズ人に会っても大丈夫!ですね。

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ウェールズの食事
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イギリスの食事はまずいで有名です。
なんせ国で一番のごちそうがフィッシュアンドチップスですから。
たしかに日本の食事に比べると一つ一つの量が多いし、
味付けも塩コショウ、とか、タルタルソースのみ等 ざっくりした味付けです。

しかしそんな中でもウェールズだけの伝統的な料理もあります。
Leekという野菜はウェールズの国野菜とされています。
これは日本の長ネギとほぼ同じ。スーパーにいけばいつでも手に入る日本の味です。
これを使った代表的な料理がCawl(カウル)。
ウェールズの伝統的なスープです。
Leekとジャガイモ、玉ねぎ、人参とラム肉の具だくさんコンソメスープです。
冬の食卓によく登場するクリームシチューのような存在です。

他にもLavor breadというウェールズの、海藻が練りこまれたパンも特有です。
これ、ウェールズの名物ですが、試したことのある人は少なくあまり人気もないです。
ただ珍しいだけらしい。

そして他にもおいしいものもあります。
毎週日曜日に家族全員で食べるSunday Dinner と呼ばれる決まったお昼ご飯です。
ローストされたお肉(ターキー、ビーフ、チキン、ポーク等)のスライスと
ローストポテトにマッシュポテト(なんとポテト2種類!!)
マッシュキャロット、ロースト野菜、グリーンピースなどの沢山の野菜を
大きなお皿に乗せ、グレイビーソースを上からたっぷりかけて食べる食事です。
食後には必ずデザートがあって、
Apple crumble(砕いたビスケットと甘く煮付けたリンゴをオーブンで焼いたもの)や、Sticky Toffee Pudding(甘いスポンジケーキの中にたっぷりとキャラメルソースが入ったものに、暖かいカスタードをかけて食べるカロリー満載のデザート)などです。

Sunday Dinner、味自体はシンプルですが日曜日の朝からお母さんはこの準備に半日を費やし、食べた後はみんなで片付けをします。
家族団らんには欠かせないメニューなんですね。

毎日学校の食堂のメニューにあるのはChips(フライドポテト)とBaked Beans(トマトソースで煮詰められた大豆)で、これらはウェールズ人(いやイギリス人)にとっての日本のおにぎりと漬物のような存在です。

サンドイッチが大好きで、グリルしたベーコンのみを挟んだベーコンサンドイッチや
シュレッドしたチーズだけを挟んだチーズサンドイッチなどは
日本人にとっての肉まんのような美味しいスナック的地位を占めてます。

これだけ知っていれば、
イギリス人やウェールズ人と話した時に会話にも困らない!ですね。

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ウェールズのスポーツ
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今回の「せかいからこんにちは」のテーマにもなったスポーツ、
国が違えば好きなスポーツも変わります。

小学校を訪問するといつもスポーツの話をするのですが
日本で一番人気のあるスポーツを当ててもらうのに
なかなか「野球」というスポーツが出てきません。
野球より前にランニング、サイクリング、ビリヤード!
なんていう答えを出してくるくらい野球はこちらではマイナースポーツです。

ウェールズ人がラグビー好きなのは前にも書きましたね。
学校にはラグビーチームがあって、男の子たちはみんなチームに入りたがります。
他にも各学校に必ずあるスポーツチームは
グランドホッケー(男女)とネットボール(女子)です。
ネットボールは女の子に人気のスポーツです。

これらのスポーツ、日本のクラブとは違って週に1〜2回練習(せいぜい1時間半)して、
平日の昼から(授業を抜けて)他校と試合をするのです。
土日や早朝なんか練習ありません。

学校のクラブという感覚は日本独特のもののようです。日本のクラブはスポーツのスキルもそうですが、それを通してのチームとしての行動や精神を学ぶというのも大きな要素ですよね。
こちらの人はただ単に、やりたいスポーツをやりたい場所でやる、というのが普通です。
ですから
学校という枠ではなく、土日や平日の夕方に地元のチームやレッスンに通ってスポーツをするんですね。
サッカーはそのいい例。学校のチームというより、地元でみんなプレイします。
乗馬や柔道・空手、テニスや水泳などもその例です。

5月の中旬には学校でスポーツ大会がありました。
各ハウスに分かれて点数を競い、最後にどこのハウスが勝つかという大会ですが
これも日本の体育祭ほどのチーム対抗意識はありません。
自分の参加するスポーツがまず少なく、団体競技なんかもちろんありません。
そして出番以外は何をしていても自由なのですね。

ん〜
日本がチームスポーツに強いわけ。それはこのへんから来ているように思います。


今月も最後まで読んで下さってありがとうございました。
感想ご質問、知りたいこと等、左の欄のお便りからお待ちしています。
それではまた、来月の月初めにお会いしましょう。
Hwyl fawr!!!!(Good bye)
Gwela i chi yr mis nesa! (See you next month!)


9  日本語教室だより Vol.8  2011年05月12日(木)
Croeso!(ようこそ!) 日本語教室だより第8号です。

4月29日は歴史的な日でしたね!
みなさんはテレビを見ましたか?
普段は王室についてはあまり興味のないウェールズ人もこの日ばかりは
テレビにくぎづけでした。
詳しくは後ほど。
ウェールズでは4月の18日からイースターにまつわって2週間の長い春休みがあり、
新学期が始まったところです。
しかし、この新学期、授業は1〜2週間で、テスト期間に入るのです。
そして、5月の最終週はまたハーフタームのお休み。
つまり、ほとんど授業がない学期なのですね〜。
どうなることやら・・・

4月のウェールズの様子をお届けすべく
今回は
・日本語の授業の様子
・地震津波のFUND RAISINGイベント
・イースターとロイヤルウェディング

の3つでお送りします。


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日本語の授業の様子
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5月はほとんど授業がないため、授業でやる内容は実質4月で終了です。
10月から始めて、1人につき20回ほどしか授業はできていませんが、
挨拶(おはよう・こんにちは等)
名前・国籍(私はカトリンです。私はウェールズ人です。)
身の回りの物(これは鉛筆です。あれは時計です。)
電話番号
年齢
所属高校(私はペンウェディッグ高校の生徒です。)
時間
曜日
教科(日本語は火曜日と木曜日です。)
月日
誕生日
家族(父母、お父さんお母さん)
お金の数え方
お店でのやりとり
(いらっしゃいませ。すみません、セーターはいくらですか。
1300円です。それを下さい。はいどうぞ。)
などの日本語を覚え、
日本の学校のシステム、年間行事、ひらがな、カタカナ、漢字(数字1〜10と曜日)
日本の家、食べ物などの文化に触れました。

この中で一番みんなが難しがったのが、「時間」
1時、1時半、まではいけるんですが、
1時45分、1時20分になるともうお手上げでした。
わかります?ふん、とか、ぷんとか、よんじゅうご、とか、にじゅっ
とか、もう頭がパニックになっていました。

楽しそうだったのが「これはなんですか。」
身の回りの物を日本語で言えるのは楽しかったようです。
そして、覚えるのも簡単!
あとは、誕生日ですね。芦間のみなさんに協力してもらった自己紹介ビデオの
「私の誕生日は○月○日です」というのを聞き取るのに、
みんなものすごい身を乗り出して集中していました。
やはり。生の日本語を聞くのは刺激になるようですね。

5月以降は調べ学習をしたいと思っています。
日本のどんなものにウェールズの学生が興味があるのか、今から楽しみです。
芦間のみなさんにもぜひ読んでもらえるようにしたいと思っていますので
お楽しみに。

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地震津波のFUND RAISINGイベント
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3月から温めていたFUND RASINGのイベントをいくつか行いました。
カーディガン高校では校長先生が指揮して下さり、
朝の集会で地震孤児のお話をされた後、
OWN CLOTHES DAYとして、制服でなく、好きな服を着ていい代わりにお金を払い、
ケーキを売り、チャリティーバスケやチャリティーサッカーなどのイベントを設け
800ポンドを集めて下さいました。

ペンウェディッグ高校では
朝の集会で、地震のその後のお話(最近ではニュースにも上がってこないので)をし、
日本では地震避難訓練がある、という話も含め、
地震が起こった時にどうするのかという情報を全校生徒に知らせました。
さらに、OWN CLOTHES DAY、しかもテーマを日本として、
日本にまつわる服を着てきてもらい、こちらもお金を払ってもらいました。
こちらでは“SUPER DRY”というブランドが日本語や日本の地名を使っていて、
とても人気があり、多くの生徒がそのスーパードライのTシャツを着ていました。
他にも日本のラグビーチームのユニフォーム(どこから手に入れたのか?)
サッカーのユニフォーム、
キティちゃんのTシャツなどがいました。
日本語選択者たちが作ってきてくれたケーキを売り、
日本語選択者たちによるカタカナでの名前書き、
ガチャピンの着ぐるみを着たファンキーな日本語の先生との写真撮影に
お金を払ってもらい、550ポンドを集めました。

そう、こちらでの寄付金活動とは、ただ単にお金を払ってもらうのではなく、
何かをする、もらうかわりにお金を払う、という活動なんですね。
見返りがちゃんとある、というのは活動の基本。
それでこそ、年に何回も様々な寄付金活動ができるというものです。
日本も見習うべき活動例だと思いました。

また住んでいるアベリストゥイスの街の日本人の知人の方々
(っていっても日本人は5人で後は、日本にゆかりのある人たち)と
地域に向けたイベントも開催し、
お茶、書道、折り紙、着付け、映画、お寿司などのコーナーを設け
1日で2500ポンドというなんとも驚きの額を集めることに成功しました。

4月、私が関わるものだけでも日本円にして約50万円が集まりましたし、
他にもさまざまなイベントが開催されたと聞いています。
一歩踏み出せばどうにでも助け合えるものなんだと、感動しました。

またいくつかの地元の新聞にも取り上げられ、
私、ちょっとした有名人(笑)になりました。

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イースターとロイヤルウェディング
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イースター(和名:復活祭)はキリスト教の祭日で、
イエスキリストが死んでから3日目に復活し、神になった日を祝うものです。
イースターだけではなく、クリスマスもキリスト教の祭日ですね。
こちらでは国の祭日にキリスト教が絡むことが多いです。

韓国、中国ではお釈迦様の誕生日が5月にあり、こどもの日などと合わせて、ゴールデンウィークのようにこの時期お休みが多いですよね。
これも祝日に宗教が絡んでいます。

日本はどうでしょうか。日本の祭日にはどんな宗教が絡んでいるんでしょう。

と、別にここで宗教のお話をしたいわけではないので、イースターのお話に。

イースターにはウサギと卵が登場し、
各家庭では、卵のからにペイントをしたり、
家中に隠された(だいたい親が隠す)イースターエッグ(チョコレートが多い)を探したり、街に出る出店を回ったりして、楽しい日です。
Good Fridayといってキリストが一度死んだ日は、国の祝日。
街中、全ての機能がストップします。
そしてその2日後Easter Sundayがやってくるわけです。
このイースター、年によって、日が違います。
学校の春休みはこのイースターの日によって決まるため、毎年違う時期なのです。
今年はそれに加えて、
ウィリアム王子とケイトミドルトンの結婚式があり、これまた祝日。
そしてそのあとの月曜日はメーデーの祝日。
学校に通っている生徒たちはもともと春休みなので関係ありませんが、
国民全員に長い週末が2回もある、というなんとも素敵な年になりました。

そう!結婚式。
大騒ぎでしたね。
全世界の人たちが見守り、次の日の新聞はどれもウェディング一色!
日本からもイギリス史の専門家がライブ中継の解説者として駆けつけていました。

普段はイングランド嫌いのウェールズ人たちも興味津々。
普段は絶対に掲げないユニオンジャック(イギリスの国旗)を掲げ、
わざわざみんな正装して集まって、パーティーをしたりしていました。
(全然関係ないのにです。)
なぜユニオンジャックを掲げないか。
あの国旗、イングランドとスコットランドとアイルランドの国旗を混ぜたものなんです。
そう、ウェールズ入ってないのです。
でもこの日だけは・・・
この日だけは飾られてましたね〜。
街にでれば、ウィリアムとケイトのお面をかぶった人たちがいて、
夜はパブが大賑わい。
みんなとにかくパーティーの理由が欲しいだけ、という気もしますが、
みんな自分がケイトだったら、なんて、一切しなくてもよい心配をし、
ハネムーンでたぶんアベリストゥイスに来るよ、昨日王子から電話あったもん。
と冗談を飛ばし、お祭り騒ぎのとても活気に満ちた日でした。

とまぁ、楽しい休日も終わり、テストテストの5月がやってきました。
来月はこのテストについて少しお話しようと思っています。

今月も最後まで読んで下さってありがとうございました。
感想ご質問、知りたいこと等、左の欄のお便りからお待ちしています。
それではまた、来月の月初めにお会いしましょう。
Hwyl fawr!!!!(Good bye)
Gwela i chi yr mis nesa! (See you next month!)


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今月の写真
・ガチャピンの学校での募金活動
・生徒が作った募金のためのケーキ
・街での津波基金イベントでの様子
・街の基金イベントでの様子2
・街の基金イベントでの様子3
・夜9時半の私の家の窓からの風景


8  日本語教室だより Vol.7  2011年04月11日(月)
Croeso!(ようこそ!) 日本語教室だより第7号です。

4月、新学年ですね。新入生のみなさん入学おめでとうございます。
2・3年生のみなさんもまた学校が始まって、
どんな1年になるんだろうとわくわくしていることでしょう。
ウェールズでは新学年は9月に始まるので、この時期、日本ほどわくわくはしないのです。
残念・・・
ということで?
普通にお送りする今回の内容は
・世界に散らばる日本語教室
・日本の地震とウェールズの本気
・ウェールズはどんな所?

の3つでお送りします。


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世界に散らばる日本語教室
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1年生のみなさんや、このページを初めて見る他の方々のためにも、
もう一度私の仕事をご紹介。

芦間高校で英語の先生をしていた私は、文部科学省のプログラムにより、
東京外国語大学(日本語教育ではトップ)での日本語研修を経て
遠くかなたウェールズへ、こちらの公立高校での日本語教師として派遣されました。

せっかく遠くウェールズで日本語を教えているのだから、
ウェールズの人が日本のどんなことに興味を持っているんだろう、ということを
みなさんに少しでも知ってもらえたらと思い、
毎月このように「日本語教室だより」をアップしているわけです。

このプログラム、全国から選出された8人(私を含む)の現役教師を世界各国に派遣する、というものです。
ウェールズの他にも
カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・中国・ブラジルなどに
私と研修をともに受けた日本の先生が派遣されています。
オーストラリアは、みなさんが春に語学研修に行ったアデレードに
日本人の日本語の先生として派遣されています。
もしかしたら街ですれ違っていたかも?!

とこのように世界中に散らばっている日本語教室の活動をどうにか共有できないかと
私たちは、世界日本語教室新聞を立ち上げました。

毎回テーマを決め、各国の日本語を学んでいる生徒たちに記事を書いてもらい、
またその新聞を授業で活用するのです。

新聞はもちろん日本語、世界中の高校生たちが
日本語を通して日本のこと、世界のことを知る絶好の機会なのです。

この新聞、3月初めに第1号、4月初めに第2号を発行しました。
第1号のテーマは各国の挨拶と日本語クラスの紹介と生徒の自己紹介
第2号は日本応援号と称して日本へのメッセージ、日本の好きなもの
です。世界の日本語を学んでいる人たちがどんな人たちか
あなたも知って下さい。
教室に貼ってもらえるようにしますので是非!是非!!!!
読んでください。
教室で見ることのできない方にはファイルをお送りしますので、お便り欄からその旨を記載して、メールを送ってください。
別の場所で活用されるのも大歓迎ですので、気兼ねなくお便り下さい。


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日本の地震とウェールズの本気
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日本の地震はこちらでもずっとトップニュースでした。

地震が起こった日、何も知らずに学校に行くと、
私を見る人がみんな、「ご家族大丈夫?」「日本、見たわよ!」
と声をかけてきてくれたので、日本で地震が起こったとわかりました。
しかし、まさかこんな大変なことになっているとはつゆ知らず、
日本人は地震に慣れてますから。とか
家は結構強くできているので大丈夫ですよ〜とか
不謹慎なことを言っていました。
週が明けて、事態が深刻だと気づいた私は
火曜日に毎週行っている日本語クラブを変更して
緊急地震レクチャーを行いました。
感動したのが、昼休み、自分の休みを削って、しかも急な連絡だったにも関わらず
100人近くの生徒と、学校中のほとんどの先生が私のレクチャーを
聞きに来てくださったのです。

BBCのニュースは
津波の映像、どれだけの人が亡くなられたか、行方不明か、放射能がひどいか、
日本がどれだけ破壊されてしまったか、ということにばかり焦点を当てていたのです。

それと同じことを伝えたのではせっかく私がここにいる意味がないと思い、
新築の耐震構造の家の耐震実験のビデオを見てもらい、
実際の震度7級の地震がどれほど揺れるのか、というのも映像で見てもらい、
地震のイメージを持ってもらった後
(なんせこちらでは地震がないので、イメージがわきません)
BBCが伝えない、日本の地震が起きた後の人々の行動や
日本人がどんなにみんなで協力しあって、立ち直そうとしているかということを
伝えました。

参加してくれたほとんどの先生や生徒たちは日本人の強さや思いやり
にとても感動し、自分たちも日本のために何かしたい、と強く思ってくれました。
そしてその週にもともと予定されていた全校あげての募金イベント
Comic relief
(面白いことをしてお金を集め、イギリス内の子供たちのために使おうの日)
で集まったお金の半額を、日本赤十字に募金してくれました。

また、4月にも独自の募金イベントを行う予定ですので
その詳細はまた次号でお送りします。

こんな時じゃなければ知ってもらえなかったのは残念ですが、
本当に多くの人が日本人の行動の素晴らしさに感化されていました。
そして遠くウェールズの地で、
私は改めて、日本人でよかったと思えたのです。

この地震のレクチャー以外にも
派遣されてからの半年で出会った多くの、本当に多くの人たちから
電話やメールをいただきました。
胸が熱くなるほど、本当にたくさんの人が日本を心配してくれているのです。
私の役目はそんなウェールズの人々の思いを日本へ届けることだと思っています。

まずはこのページを読んで下さった方に届いていることを願います。
次はあなたが、周りの人に彼らの思いを届けてあげてください。

早く日本が元気になりますように。


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ウェールズはどんな所?
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ウェールズはイギリスの中にありますが
独立国家です。
自分たちの旗をもち、自分たちの法律をもち、自分たちの言語を持っています。

ウェールズの首都はカーディフ(Cardiff)。
人口は140万人で、ウェールズの全体人口の約半分が住んでいます。
ウェールズの3分の2は山で、中央にはカンブリア山脈、
北にはスノードン山、南にはブレコンビーコンズがあり、
自然のとても美しい国です。
前にも書きましたが、「天空の城ラピュタ」のモデル地にもなっています。

イングランドがウェールズ内に攻め入った時に建てたお城が
点在していて、世界遺産に認定されているものもあります。
特にコンウィー城はまさにラピュタ!!!!
一見の価値があります。
またこのコンウィーの街には
高さ3メートル、幅1.8メートルのイギリスで一番小さな家があります。
今はだれも住んでいませんが、家財道具もそろっていて、
以前は2メートル近い漁師さんが住んでいたんだとか。

他にも
イギリス屈指のリゾート地、Llandudno(シャンディドゥノと読みます)や
世界で一番長い名前の街
Llanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogochもあります。

ウェールズ語が英語とともに公用語で、
サインなどはすべてウェールズ語と英語で書かれています。
人口の20%が話すことができるといわれていますが、
中部に住んでいる私には、ほとんどの人が話すように感じるくらい
みんなウェールズ語を話します。
特に私はウェールズ語の高校で教えているので、
放送もプリントも先生同士・生徒同士の会話もすべてウェールズ語。
ウェールズ語できなければ、置いてけぼりです。

9月からレッスンに通い、早半年。
基本的なことは言えるようになり、
今は日本語の授業でも単語レベルではできるだけウェールズ語を使っています。

交通の便は非常に悪く、北から南には電車が通っていません。
一度イングランドまででてから行き来しなくてはなりません。
まっすぐ行けば2時間の所、電車では5時間かかったりします。
またバスの本数も少ないので
車がないと生活できません。
私も毎週2回、片道1時間(しかも100キロで)ドライブし、
勤務校に通っています。

自分たちの文化を大切にするウェールズ人にとって
3月1日はSaint David's Day という大切な日です。

聖デイビッドはウェールズにキリスト教を持ち込んだ人物と言われており、
ウェールズの守護神としてあがめられています。
この日はすべてをウェールズ風に行う、というのが伝統。
ウェールズの国花の水仙(Daffodil)を身に着け、
ウェールズの伝統的コスチュームを着て(小学生だけ)
ウェルシュケーキを作り、
家ではウェールズの伝統的な料理を食べます。

さ、そんなウェールズ、興味がわきましたか?!
日本の授業が始まって少したち、軌道にのれば、
交流をお願いしたいと思っていますので、またよろしくお願いします。

今月も最後まで読んで下さってありがとうございました。
感想ご質問、知りたいこと等、左の欄のお便りからお待ちしています。
それではまた、来月の月初めにお会いしましょう。
Hwyl fawr!!!!(Good bye)
Gwela i chi yr mis nesa! (See you next month!)


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今月の写真
・ラピュタのモデル、コンウィー城
・イギリスで一番小さな家
・Comic reliefのイベント、ワックステープでの男子の足の無駄毛処理
・ウェールズ国花、スイセン
・ウェールズの伝統的コスチューム
・ウェルシュケーキ


7  日本語教室だより Vol.6  2011年03月08日(火)
Croeso!(ようこそ!) 日本語教室だより第6号です。

2月はウェールズのたくさんの学校で文化祭がある月でした。
内容はまた後のコラムで書きますが、なんせ日本とは似て非なるものです。
こういう学校のイベント一つ一つにもその国の文化の違いって出るんですね。
みなさんにも、「日本ってどんな国だろう?」
ともう一度考えてもらえるようにしたい今回の内容は・・・

・日本の文化を知ろう!
・ウェールズの文化祭
・食生活−あり?ORなし?

の3つでお送りします。


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日本の文化を知ろう!
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2月にはハーフタームというお休みがあり、もともと3週間しか授業がありません。
さらに私、風邪を引いてしまい(言い訳ではありませんが、どの学校でも風邪大流行だったのです)ぼ〜っとしている間になんだかあれよあれよと1か月が過ぎていました。
私が熱で授業を休んだり、生徒が風邪を引いて授業を休んだりして、
なにせ週1回の授業ですから、あまり内容は進まず残念でした。
しかしこの2月授業や日本語クラブで様々な日本の文化を取り上げました。

日本の年間行事には何に一番興味を持つと思いますか?

答えはずばり七五三。
こちらにはそんなお祝いありません。日本独特の行事なのですね。

七五三ってどんなイベントで、なぜ祝うのですか。
あなたは説明できますか?

日本のスポーツではほとんどの人が相撲と武道に興味を持ちます。

さて、今話題の相撲ですが、
なぜまわし一丁なのでしょう。
こちらの小学生たちは相撲のビデオを見せると一人残らず笑います。
なんで裸なの?と聞いてきます。
でも理由を伝えると、意外と納得してくれるんですね。

あなたもどんな理由か考えてくれましたか?
答えは簡単。
着物が邪魔で相撲がとりにくかったため、着物を脱ぎ、
ふんどし一丁になって相撲を取ったわけです。
ボクシングもボクサーパンツですよね。日本の相撲もそれと一緒。
ただ下着の形態が西洋のそれと違っただけです。

武道は英語でMartial Artsと言います。
スポーツではなくアートなのです。
スポーツとMartial Artsはどこがどう違うのでしょう。

驚くことにこちらでは
たくさんの人たちが学校の外でMartial Artsを習っています。
そして誰から習っているかと言えば、「SENSEI」から習っているのです。
だから日本語知らなくてもSENSEIを知っている人は多いのです。
私の学校でも柔道の特別レッスンを行いました。
参加者はみんな初めて見る柔道の迫力に圧倒されていました。

ファッションを取り上げた時は、
日本の女性向けファッション雑誌をたくさん見せました。
雑誌の内容の大きな違いを聞いたところ、
・表紙が反対。逆にめくっていくのはなんだか変な感じ。
・ヘアアレンジ、メイクの方法がとても詳しく載っている。
・写真に背景がある(街中で着ているように写されている)。
・雑誌の商品の説明が詳しい。どこで買えるかまで載っている。
等でした。
日本の雑誌はこちらのものに比べて読者に丁寧なんですね。
というより、雑誌に載っている洋服やヘアアクセサリー、メイク用品など
ずばりそのものが買いやすいようになっていて、
直接購入につながる要素が非常に大きいのですね。
考えもしませんでしたが、そういわれてみれば、雑誌に掲載される洋服は
すぐに売り切れになりますね・・・
ん〜新発見でした。

普段考えないことでしょうが、みなさんが普段目にするものには
日本独特のものが多いです。
日本の文化や行事、その理由など頭の中で一度説明してみて下さい。
いかに自分がうまく説明できないか、ということに愕然としてしまうかもしれません。
(少なくとも私はそうでした!!!たくさん日本についての本を読みました。)


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ウェールズの文化祭
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こちらの文化祭(Eisteddfod エステドボッド)はクラスではなくハウスごとに戦います。
ハウスはたいてい3つ、それぞれ名前と色があって
入学時にランダムにどこに入るか決められます。
ハリーポッターを見たことある人は、あれをイメージしてください。
当日は近くの市民ホールに集まり、一日中友達のパフォーマンスを見ます。
歩き回って各ブースを見て回る、というものではありません。
学校内だけのイベントですので生徒と教師以外観客もいません。

戦うのはハウスごとですが、全員が参加するのはハウスごとの合唱のみ。
後は、出たい人が出たい部門に参加します。
ダンスや劇。絵画やエッセイ、各教科についてのレポートなんかもあり、
どちらかというと、普段の勉強に基づいたものが多いです。
なかでも日本と全く違うな〜と思ったのが、メインイベント。
事前に希望者が匿名であるテーマに沿って「詩」、ポエムですね。を書いて応募します。
そして当日、最優秀作品が発表され、それを書いた人を壇上に迎えます。
その人には、冠やガウンなどが渡され、学校中の人たちから惜しみない拍手で迎えられるのです。

日本の文化祭はどちらかといえば、クラスでの団結を図るのが目的で、
途中にはクラスの分裂の危機や、疲れ切った授業などがあるものですが、
こちらの文化祭は自分の能力をみんなに見せ、それを評価してもらう絶好の機会!
といった感じです。

みなさんはどちらの文化祭が好きですか?

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食生活−あり?ORなし?
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こちらに来てまず一番のカルチャーショックだったことは食事です。
なんせ量が多い!
イギリス唯一のソウルフード、フィッシュアンドチップスは
お店で頼むと、両手分くらいあるフィッシュと
ポテトのLサイズ2つ分くらいのチップスが出てきます。

お店では自分の料理を頼むのであって、みんなで分けたりしません。
だからどんな量でもお皿に乗っているのは自分の分なんですね。

中華の出前を頼んでもおひとり様セットという名前にも関わらず
焼き飯・八宝菜・肉炒めとそれぞれが普通の大きさのタッパに、
ぎっしり詰まって来ます。

驚くのはそれだけでなく、飲み物やデザートの甘さ。
こちらでケーキというと
スポンジケーキの上にドベ〜っとアイシング(砂糖の塊)が乗っているものを指します。
いつだったか新聞で読みましたが
味付き水(ヴォルビックのレモン味等)の砂糖含有量は
コーラより多いらしいです!
なんとペットボトル500ミリに対して50グラム以上の砂糖が使われているのです。

日本人からすると、毎日肉と油物なんて、胃がもたれる〜
何かあっさりしたものが食べたい。と思ってしまいますが
それは日本の食生活が身にしみついているからなんですね。
時々ならいいけど、やっぱり毎日は辛い。。。
とどうしても思ってしまう私は、こちらに来て、
今までにないくらい、よく料理をしています。
いいことです。

でもこちらの人は、この食事が当たり前で、これがおいしい食事なのです。
フィッシュアンドチップスは大きくなくてはおいしくないのです。
そして、60・70歳の方もフィッシュアンドチップスを頼むときには
一緒にコーラを頼むのです。
日本ではあまり見ない光景ですが、コーラが昔から慣れ親しんだ飲み物であれば
それもありなのでしょうか?

イギリスは食に関してはとても貧しい国だといわれることがありますが
そんなのしったこっちゃない。
育った環境で食べるものが一番おいしいのです。
自分の慣れ親しんだ料理と違うので、おいしくなく感じるのですね。
日本食が一番おいしい。それは日本人の幻想かもしれません?!

さて、今月も読んで下さってありがとうございました。
7期生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
ウェールズとの交流授業に色々協力して下さって本当にありがとうございました。
4月から新しい世界に入り、忙しくなると思いますが
また感想等寄せて下さい。
今月も、感想ご質問、知りたいこと等、左の欄のお便りからお待ちしています。
それではまた、来月の月初めにお会いしましょう。
Hwyl fawr!!!!
Gwela i chi yr mis nesa! (See you next month!)


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今月の写真
・初めて見る柔道
・文化祭での合唱
・文化祭、「詩」の勝者の様子
・フィッシュアンドチップス
・学校の食堂の料理


6  日本語教室だより Vol.5  2011年02月08日(火)
Croeso!(ようこそ!) 日本語教室だより第5号です。

劇的な寒さだった12月に比べて1月は比較的暖かい日が続きました。
しか〜し!ウェールズの冬と言えば、そう雨。そして風!
1月はほとんど毎日どんよりした雲と雨と風!
歩いているだけで飛ばされそうになるくらいの風が容赦なく吹きつけました。
そんな天気のせいもあってかあまり気分が浮かず、
週末はほとんどを家で過ごした私ですが
そんなさみしい話はやめにして

今回は
・日本語の勉強
・芦間のみんなありがとう
・ウェールズ人の好きなもの嫌いなもの
の3つでお送りします。


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日本語の勉強
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1月からはなんと1つの学校で時間数を増やしました。
今までは週1時間だったのですが、週2時間やりたい希望者を聞いたところなんと
23人中10人が週2時間の授業を希望しました。
・単位修得の科目ではないということ
・自分の大学へのテストがある学期だということ
・今までのペースを崩してでもやりたいということ
を考えると、かなりの人数が日本語に本当に興味を持ってくれているのだと思います。
いや、本当に嬉しいことですね。

1月の最初の週は書初めをしました。
筆遣いが本当に難しいらしく、参加した全員が、一言も話さず
かなりの集中力で漢字に挑んでいました。
日本の人がスラスラ筆を使えるのは
小学生からのあの練習のたまもの。
墨を付けてしまった制服のシャツの数の分だけうまくなっているのだと
改めて思った日でした。
基本筆遣いと「春」を練習した後、彼らの一年の抱負を漢字一文字で表し、
それを練習してもらいました。
毎日を楽しむ→「楽」
テストでいい点を取る→「良」
エクササイズをする→「動」
などです。

さ、授業ではやっと!やっと!ひらがなを一通り終えました。
しかしやっぱりほとんどの人がまだまだ全然読めません。
毎回の授業で「ひらがなラップ」と「ひらがなカルタ」をして
なんとか頑張っています。
ひらがなラップ、あるんですね〜。
「♪あいうえおおお〜かきくけこここ〜♪」と、
わをんまでを無理やりリズムに乗せただけのものですが、
興味がある人はぜひインターネットで調べてみて下さい。

身の回りの物(鉛筆、消しゴム、鞄、鍵など)を覚え、
時間が言えるようになったところです。
日本の数字ってとっても難しいんですよ。
考えたことありました?
たとえば4。
ふつうならヨン、速く数えるならシ、時間にはヨ、分にはヨン(しかも分はプン)、
月はシで日にちはヨッカ、ものを数えるならヨッツ、
読み方だけじゃなく、用途も覚えなくてはならない!
時間と月日は、日本語最初の難関なのです。

日本の人と話ができるのはまだまだ遠そうですね〜。
でもできればまた4月くらいに
ビデオの交換か、直接話すかをやりたいと思っています。
その際はご協力ください。


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芦間のみんなありがとう
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年末に頂いたクリスマスカードと日本のクリスマス&お正月紹介ビデオ
本当にありがとうございました。

1月最初の授業ではクリスマスカードに返信するために
頑張って筆ペンを使って年賀状を書き、
日本語クラブでは日本のクリスマス&お正月についての見識を深め
福笑いをして大いに笑い、
学校内の、日本語に触れていない人にもビデオを見てもらうことができて
また興味を持ってくれる人が増えました。

日本のクリスマスについては
全員が全員笑った瞬間があります。
それは日本ではクリスマスにピザとKFCのチキンを食べます。
といった時です。
彼らには考えもつかない料理だったのでしょうね。
日本でお正月に「え?お正月といえばピザでしょ」っていってるようなものです。

Holiday weightではなく、日本ではお正月明けには
「おもちの食べすぎで太った」っていうのよ、というと「へ〜」の嵐。
おもちにも興味をもってくれたので、
昼休みのクラブで砂糖醤油でおもちを食べたりもしました。

私からのビデオも見てくれましたか?
どこまで伝わったかはわかりませんが、世界の裏側で、
毎日こんな風に日本語広めてます、というのが少しでもわかってもらえていたら幸いです。

何もおもしろシーンを用意しなかったのが今更悔やまれます。
私も大阪人の端くれ。次回こそは!!!
でも、芦間にいる時から乾はサムイと言われていたような気がするので、
無理かもしれませんね・・・


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ウェールズ人の好きなもの嫌いなもの
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好きなスポーツはラグビーです。
現在大きな大会中ということもあり、
ウェールズ戦がある日は、全員テレビに釘付けです。
先週末は対イングランド戦だったのですが、
宿敵イングランドに負けた後の、街のしょんぼり具合は大変なものでした。

嫌いなものはイングランド。
ウェールズの人たちは、ウェールズを一つの国として見ています。
なので、イギリスと言われるのは大嫌い。
イングリッシュ(イングランド人)なんて言われた日には
必ずウェールズ人です、と言いなおすというのは前にも書きましたね。
ウィリアム王子とケイトさんの結婚も
「あれはイングランドの王室の話でしょ。私たちには関係ないわ」
プリンスオブウェールズとされている皇太子に対しても
「無理やりプリンスとか言われてもね〜。
ウェールズのことも大事に思ってますよっていうアピールなのよ。」
授業中でも
「イングランドは好きじゃない!一緒にしないで〜」
もちろん心の底から嫌っているわけではないでしょうし、
全員が全員そうだということでもありません。
ただやはり、ウェールズ人としての誇りがイングランド嫌いを招いているのは
否めない事実でしょう。

好きな食べ物はフィッシュアンドチップスとチョコレート。
街には10件を超えるフィッシュアンドチップス屋さん。
チップスはポテトフライのことで、なんと1ポンド(約130円)出せば
モスバーガーのLサイズ4個分くらいの量を購入できます。
そして私乾はクリスマスにもらったチョコレート達を1月にガッツリ消費しました。
チョコ消費量も半端ではありません。

嫌いと好きが真っ二つに分かれるのは
MARMATE(マーマイト)という食べ物。
なんだか栄養たっぷりのトーストにつけて食べる茶色のペーストなのですが、
これがまた!!!!すごい。
かなり強烈な匂いと味です。
ん〜、岩のりをさらに強くしたような感じですが、説明しきれません。
ちなみに私は大嫌いです。

好きな景色は、ウェールズならではの田舎風景。
ウェールズの田舎風景は、天空の城ラピュタのモデルにもなっているらしいです。
のどかで、どこを見ても緑と羊!!!の風景です。

好きなドラマは「コロネーションストリート」
なんと15年以上毎日やっているメロドラマです。
かなりの人が、毎日ドロドロの人間関係を楽しみながら見ています。
でも最近の一番人気のドラマはやっぱり「GLEE」でしょう。
日本でも有名になっていると聞きましたが知っていますか?

好きな有名人はシェリルコール。10代の女の子たちに絶大な人気です。
Xファクターというイギリスのオーディション番組の審査員もしていますが
この番組もまた絶大な人気です。
毎年この番組からたくさんのアイドル・ミュージシャンが誕生しています。

好きな劇はパントマイム。
といっても「劇場での盗撮は犯罪です」のパントマイムではありません。
おとぎ話(白雪姫やシンデレラなど)を現代のヒット曲の替え歌で盛り上げ
観客とのやり取りの沢山あるコメディー調の劇です。
この劇で特徴的なのが、必ず女装した男性が出てきて、
彼らが観客をおなかがよじれるくらい笑わせる、ということです。
私も今年のシンデレラの意地悪なお姉さん役の2人に涙が出るほど笑わせられました。


あ、私の好きなウェールズ語は「ポプディ ピン」
あれです。
日本ではチン!ってなる機械です。音がかわいすぎます。

好きなもの嫌いなものには私の主観が入っているため、
鵜呑みにはしないように願います。
雰囲気を伝えたいという思いで書いています。

感想ご質問、知りたいこと等、左の欄のお便りから送ってください。
楽しみにしています。
それではまた、来月の月初めにお会いしましょう。
Hwyl fawr!!!!
Gwela i chi yr mis nesa! (See you next month!)


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今月の写真
・芦間のみんなにもらったカードを読んでいるところ
・お返しにかいた年賀状
・おもちに挑戦中
・ラピュタに出てきそうなウェールズの羊のいる風景
・パントマイムに出てくる意地悪姉さん2人組


5  日本語教室だよりVol.4  2011年01月09日(日)
Croeso!(ようこそ!) 日本語教室だより第4号です。

Blwyddyn Newydd Dda!!(A happy new year!)
皆様、あけましておめでとうございます。
今年度もどうぞよろしくお願いします。
12月は22日までだったのと新年の挨拶の後ということもあり
先月を振り返るのはなんだかものすごく前のことを振り返るようで
ちょっと変な感じですが、今月もよろしくお付き合いください。

第4号の内容は
・日本語の勉強と芦間との交流
・クリスマスとお正月
・やっぱり近いよヨーロッパ
の3つでお送りします。


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日本語の勉強と芦間との交流
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12月はなんといっても芦間高校向けにビデオを撮ったことが最大のイベントでした。

ひらがなは「まみむめも」までしかやってませんし、ほとんどがまだ読めません。
(なぜか、「く」と「し」はほとんどの生徒が覚えています。なんで??)
単語もほとんど知らないし、
(ともだちを教えた時は、「たまごっち」と間違ってました)
おはようございますとありがとうございますを間違ったり、
こんにちはございますとかいっちゃうウェールズの高校生ですが、
それでも何とか知っている文章を使って、
日本の高校生向けに日本語で事項紹介をしました。
内容は「名前・年齢・国籍・高校名・電話番号」くらいですが、
それでもみんな一生懸命自分で考えてビデオに挑んでいました。

また、英語で芦間のみんなにも質問をしています。
みんなの知っている英語のアクセントとは少し違うので、聞き取りにくいかと思いますが、
ウェールズの彼らが毎日使っている英語を聞くのも新鮮かと思います。
芦間の生徒でもし興味がある人は、先生に聞いてみて下さい。
見せてもらえると思います!
芦間のみなさんのカードと映像も届きました。
色々工夫されたかわいいカードやわかりやすい映像ありがとう!!
1月の日本語の授業やクラブで見せたいと思います。
みんなきっと喜ぶよ。その様子は1月に報告しますね!

12月は22日までだったのですが、
その前の週の金曜日から大雪!!
日本でもヒースロー空港が大混乱、のニュースやってたでしょうか?
そんなんで、最後の方は何日も学校がお休みになりました。
イギリスのほぼ全土でお休みだったんですよ!大変大変。

でもなんとか学期の最後の授業ができたので、みんなでクリスマスパーティーをしました。
折り紙のクリスマスツリーを作って、お寿司を食べました。(乾のホームメードsushiです)
お寿司は、のりを嫌がる人が多い(世界中で)ですが、
ここの生徒たちは平気で、おいしいと食べていました。
わさびも意外といける生徒がいたりして、楽しかったです。
生まれて初めて寿司を食べた生徒も多く、
日本食はおいしいという印象をばっちり与えることができ、私も大満足でした。

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クリスマスとお正月
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突然ですがクイズです。
「FATHER CHRISTMAS」とは誰でしょう?



そうです。彼です。
ちなみにフランスとスペインでは「Papa Noel」。
ヨーロッパではこっちが定番なんでしょうか。でも「サンタ」とはいうらしい。
ややこしいですね。

イギリスではクリスマスが年で一番大きな行事。
12月に入るとあちこちでクリスマスフェアが開催され、家族のそれぞれが家族全員へのプレゼントを購入し始めます。
職場ではクリスマスディナーが行われ、
人々は、「あ〜クリスマス前って忙しい」が口癖になります。
みんなが浮足立って、学校の最終日を迎えます。

25日はどのお店もお休み。スーパーもあいてません。
公共交通機関もすべてストップです。

なので23日くらいのスーパーは人人人!!!!!!!すごい人です。
人が2人は入るかというトロリーにペットボトルの水12本とか、
ワインのボトル20本とか、チョコのパック(巨大)10パックとか、
そりゃもう、なんで?っていうくらい買いだめするんです。

クリスマスは日本でいうお正月のようなもんで、家族が全員集まります。
友達と会ったりもするけど、基本は家族。

24日までに家族は家族全員分のプレゼントをそれぞれ買ってきて
ツリーの下に置きます。
そして、サンタ用に大きな靴下も下げて寝ます。
25日は朝起きたら家族(親戚も)全員クリスマスツリー前集合です。
そしてプレゼントを開けるんですね。
全員が全員に、しかも2個も3個もあげたりするから、その辺ラッピングの山!

で、2時ごろからは全員そろってのディナーです。
ターキーをクランベリーソースにつけて、
添え野菜のニンジンやポテトのマッシュ、グリンピースなどと一緒に食べます。
この時間から大人はワインを開けます。
その後は暖炉の前に移動し、映画を見たり、話をしたりと夜が更けていきます。
そして夜の夜中まで飲み続けます。
(それでワイン20本も買ってたんやね〜)

日本の年末・正月と全く同じではありませんか?これ。
クリスマスというとなんとなくおしゃれに聞こえがちですが
忘年会とお年玉、親戚そろっておせち料理。特番見ながらだ〜らだら。

どの国も形は違ってもやってることはほぼ一緒なんですね。

教会に行く人もいますが、あまり多くはありません。
アメリカ・カナダよりも宗教的な要素は低いように思われます。
そして、24日は特に何もしないんですよ。
日本のようにクリスマスイブだからといって、ロマンチックな夜を過ごしたりしません。
みんな買ってきたプレゼントのラッピングをして過ごすんですね。

そのかわり、イブと言えばNew year’s Eveです。
ほとんどの人が友達と街へでて、カウントダウンをします。
カウントダウン後もわんやわんやと朝まで騒ぎ続けます。
この日だけは若くても、友達と夜中遅くまで騒げるということで
中学生高校生たちは、ここぞとばかりに楽しみます。

ちなみに私はカウントダウンはウェールズではしてないんですね〜〜〜〜・・・

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やっぱり近いよヨーロッパ
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日本に比べて休みが多い、というのはご紹介したと思いますが、
そんなお休みをあなたならどう使いますか?

私はせっかくこうやってヨーロッパにいるのだから、
お休みを利用して、できるだけたくさんの国を訪れたいと思っているのです。
なので年末はポルトガルのリスボンとスペインのバルセロナへ旅をしてきました。
ポルトガルは魔女の宅急便のモデルにもなった国で、
赤い屋根が素敵なきれいな街です。
バルセロナは言わずと知れたサグラダファミリアを筆頭に、
たくさんのガウディの建築物があります。
(桜田ファミリアではありませんよ!←私は高校生の時、こう思っていました。)
建物の壮大さに思わず息をのみ、めちゃうま生ハムを食べるという
とても素敵な体験をしてきました。
そして2011年のカウントダウンもバルセロナのレストランでしてきました。

って、そんな旅行の内容を話したかったわけではなく、
以下にヨーロッパというのはいかに国と国が近いかという話がしたかったんです。
ヒースロー→リスボン→バルセロナ→ヒースローの航空券、
この年末の時期でも、格安航空券なら、なんと全部で4万円ほどなんです!
さらにヒースロー→リスボンは所要時間2時間半。
バルセロナ→ヒースローは1時間45分。
さらにさらに、リスボン→バルセロナは国内線扱いで、
パスポートチェックもありません!
イギリスは島国ですが、他の国まで行く感覚ではなく、
東京や北海道にいく感覚で、ヨーロッパを訪れることができます。
そしてたくさんの人が3か国語も4か国語も話せるんですよ。
そりゃ、隣の国が近く感じますよね。いいですね、そんな関係。

ヒースロー空港から私の家まではなんと5時間半かかります。
あれれ?リスボン行くより遠いじゃないですか。
おかしいな〜。全然近くない・・・

と、落ちもついたところで(ついたのでしょうか?)今月は終わりにしたいと思います。
読んでくださってありがとうございます。
これから寒い冬の本番ですので、
すこしでもウェールズからあったまる楽しいお話ができるよう、
今月も毎日奮闘したいと思います。

芦間のみなさんあてに送ったビデオレターも、始業式に流していただけるそうで
ありがとうございます。
こちらの様子が伝わって、楽しんでいただけると幸いです。

先月に引き続き、感想ご質問等、左の欄のお便りから送ってください。
楽しみにしてます。
それではまた、来月の月初めにお会いしましょう。
Hwyl fawr!!!!
Gwela i chi yr mis nesa! (See you next month!)





今月の写真
・サンタと乾(とあるクリスマスフェアにて)
・クリスマスツリー
・クリスマスディナー
・リスボンの教会とトラム
・バルセロナ、サグラダファミリア


4  日本語教室だよりVol.3  2010年12月07日(火)
Croeso!(ようこそ!) 日本語教室だより第3号です。

11月のウェールズは観測史上最も寒い11月だったようで、
マイナス10度等の日が続きました。
「寒すぎるため本日休校」なんていう日があちこちの小学校でありました。
例年はそんなに寒くならないらしいのですが、なんせびっくりの寒さです。

そんな寒さを吹き飛ばす、第3号の内容は
・日本語の勉強
・高校生との交流。ハイテク!!!
・おどろきもものきカルチャーショック
の3つでお送りします。


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日本語の授業
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11月が終わって、6thフォームの生徒たちは4回〜6回の授業を受けました。
週1回で、しかも、他の授業が忙しいので来れなかったり、
学校の行事等で授業が抜けたり、
うっかり来るのを忘れていたり!!!(なんてこと)
するので、なかなか授業はスムーズには進みません。

ですが、
ひらがなは「なにぬねの」まで練習を終え、
国と国籍を言えるようになり、
〜ですか?と質問をして、はい・いいえで答えられるようになり、
どこの高校に通っているか言えて、
年齢を言えるようになりました。

「さしすせそ」を勉強した時には、「す・し」が読めることに興奮していました。
ビジネス風に自己紹介をするという授業では、
DAKARAの名刺交換のCMを見て、余分3兄弟を笑っていました。
どこの高校に通っているかの授業では、芦間高校の卒業アルバムを見て、
1学年の人数の多さにびっくりし、
体育祭の競技に興味津々で、
先生たちの中から、理科の先生・体育の先生・美術の先生を探し出す
ゲームに燃えていました。

ただ単に言葉を学ぶというよりも
日本の生活・日本の高校生・日本の文化そのものに
興味を持ってくれている生徒が多いように感じます。


6thフォームの授業のほかに、
中学生向けの昼休み週1回の「Japanese club」、
小学校を訪問しての「Japanese Session」などにも取り組んでいます。

Japanese clubで折り紙の相撲取りを作って、紙相撲をしたときには
相撲を初めて見たのがかなりショッキングだったようですが、
なぜほぼ裸なのかを説明したら、みんな理解してくれました。よかったよかった。

小学校でのセッションで
クリスマスカードの代わりに年賀状を書いた時は、
折り紙でウサギを作って貼り付けました。
それぞれの年に動物があるなんてびっくりだったようで
両親の動物や、先生の動物など、いろんな人の動物を必死に計算していました。

日本に行きたいといっている生徒も沢山います。
一人の男の子の将来の夢は、
JETプログラムで日本に行き、日本で英語を教えることらしいです。
芦間のサラ先生と同じ仕事です。
彼は本気ですよ!!!!


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高校生との交流。ハイテク!!!
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11月3日〜12日まで、
京都の与謝野町の高校生6人がアベリストゥイスを訪れていました。
こちらの高校生のうちにホームステイをし、一緒に学校に通ったり、
観光したりして毎日をこれでもか、というほど楽しんでいました。
これは20年以上続いているプログラムで、
これまで100人を超すアベリストゥイスの人たちがこのプログラムに関わっています。
有名なプログラムなので、地元の新聞社も取材に訪れました。
なんと私も新聞に載りましたよ!
日本では1度もないのに。新聞デビューはウェールズです。

私の働く高校にも来て、1日、日本語コースの選択者たちと過ごしてくれました。
こちらの日本語コースの選択者にとっても、日本の高校生にとっても
実際に高校生と話すなんて機会はそうそうあるものではありません。
こちらの高校生は知っているだけの日本語を駆使しながら
なんとか自分の名前を頑張って伝えていました。
実際に伝える喜びは何事にも変えがたいものです。

日本の高校生にとっては、
こちらの生徒がほぼみんなバイリンガルなのが驚きだったようです。
すごい!と連発していました。
あとは、食事の量!
確かに、日本の食事の3倍はありそうな量を毎日食べてます。
しかし、人種や言語は違っても同じ高校生。
好きな人の話題や、好きな音楽、ファッションなどの話で盛り上がり、
訪問後、日本とウェールズの距離を超えて友達になった人たちもいるようです。

え?どうやって友達に?
FACEBOOKです。
日本にはミクシ―があるのでなかなか広がりませんでしたが、
じわじわFACEBOOKの使用者が増えているようです。
かくいう私もFACEBOOKの使用者です。
FACEBOOKを使うと、世界中のどこかで出会った人を
オンライン上で探すことができます。
そして友達として認識すると、それぞれがアップする出来事を共有できたり、
チャットができたりして、遠く離れていても友達としてつながっていることができます。

ちなみにFACEBOOKは世界中に広がりすぎ、ついには映画にまでなってしまいましたね。
日本では公開されているのでしょうか???

12月には芦間の3年生に協力してもらった自己紹介のビデオの返事を撮影する予定です。
このビデオを送る方法を相談していたところ、
「オンラインストレージ」という方法を紹介されました。
Eメールで送る代わりにオンライン上に預け、それを受信者がダウンロードすることで、
世界中どこからでもどんな大きな容量の写真やビデオを見ることができる、
というサービスらしいです。

すでにEメールは、メッセージを送るだけのものの時代でもないようです。
@_@!!! めまぐるしい変化についていけません。


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おどろきもものきカルチャーショック
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こっちにきて早2か月がたちました。
今月は、この2か月間に経験した
びっくりおもしろカルチャーショックエピソードをご紹介します。

1.みどりの豆
ある日、ある女の人が私にこう言いました。
「この前日本食レストランにいってね、スターターに豆を頼んだんだけど、
なんか、ものすごく硬い緑のまめを出されたのよ。
噛んでみたけど、繊維がいっぱいで、なんかさやに毛が生えてるし、
塩の味しかしないし、残して帰ってきたんだけど、
あれな〜に?日本人はあの豆、おいしく食べるの?」
残念。それは中身だけを食べる、枝豆という食べ物ですね。

2.においを消すやつ
私の家は全面カーペットで、けっこう古いため、においがこもります。
耐えられずに消臭剤的なものを探そうと、学校の職員の方に何かないか聞いたところ
「においを消すもの?ファブリーズみたいなものかしら???」

そう!!!それ!!まさにそれです。
ファブリーズ恐るべし。

3.折り紙の威力
昼休みのJapanese clubや小学校でのJapanese Sessionで折り紙をたくさんやっていますが、気付いたことがあります。
何が難しいかってこと。
折り紙未経験者でも、折るのはできるんですよね。角も何とか合わせられます。
しか〜〜〜〜し!
開けないのです。
四角に折って、内側を開きながら三角に整える。ってありますよね?
あれがどうしてもできないのです。

日本人がいとも簡単にできるのは小さいころからの折り紙特訓のおかげなんですね。
ちなみにさらに気付いたのですが、
2次元の折り図を3次元で作る。指先を駆使して、きれいに折る。
折り紙って、とっても脳みそにいい活動なんではないでしょうか。
そして、こちらではとにかく全員が折り紙大好きです!!!

4.ゲーム
小学校のセッションで、日本について知ってることは?
と聞いたところ、ゲーム!と答えてくれた子がいたので
ニンテンドーWiiは知ってるよね?ニンテンドーDSも?スーパーマリオブラザーズ?
プレイステーション?
それぜ〜んぶ日本のものなんだよ。
というと、驚きと歓喜の声が教室中に響き渡りました。
日本にすみた〜い!
日本すごすぎ!!!って口々に言ってくれましたよ。

日本のものだと知らない子どもたちも大勢いたのです。
なんせこちらでのDSのCMでは
「Britain’s favorite! Nintendo DS」って流れるくらいですから。
すでに日本の枠を超えて、様々な国で欠かせないものになっているようです。

5.すし
すしを説明するとどんな料理ですか?
お米と刺身?かな。
こちらでは「すし」は生魚。だと認識されているようで、
食べたこともないまま嫌いだという人がたくさんいます。

そこで、
すしにはきゅうり寿司、たまご寿司、ましてやハンバーグ寿司なんかもあるよ
というと、ウェールズ人の食べず嫌いが少し緩和されるようです。

6.ティッシュ
ティッシュではなをかんだ後、そのティッシュはどうしますか?
こちらの人は、ポケットにしまうんですね〜。
そして、次鼻をかみたくなった時にもう一度、いや、もう2度3度使うのです。
日本人の感覚では考えられませんね。

7.食器洗い
さらに考えられないのが、食器の洗い方。
シンクにお湯をため、そこに洗剤を流し込みます。
お湯をしっかり泡立てて、そのお湯の中に次々と使った食器を入れていきます。
スポンジを使って、このお湯の中で食べ残しを取り除いた後、

ゆすぎ・・・・はしないで
シンクの横に置いていくのです。

お湯がもったいないじゃない。
どうせ拭くんだし、外のある洗剤じゃないから大丈夫よ。と言われます。
でもやっぱり、私にはまねできそうにない、食器の洗い方です。


そんなこんなで毎日楽しく過ごしています。
12月はクリスマスが目白押し、なのでその辺について触れていきたいと思っています。
感想や質問、先月に引き続き、お待ちしています。
それではまた、来月の月初めにお会いしましょう。
Hwyl fawr!!!!
Gwela i chi yr mis nesa! (See you next month!)

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今月の写真
・与謝野町からの訪問者と日本語受講生
・与謝野町の新聞記事と乾
・小学校セッションにて小学生と
・小学生の作った折り紙の兎付き年賀状
・ある日の晩ご飯



3  日本語教室だよりVol.2  2010年11月05日(金)
Croeso!(ようこそ!) 日本語教室だより第2号です。

日本もめっきり寒くなったようですが、ウェールズもとっても寒くなりました。
朝は氷点下になることも多く、芝に霜が降りたり、車の窓ガラスが凍ったりしています。
霧もよく出ます。朝の1時間の通勤がかなりデンジャラスなこの頃です。
乾の憂鬱はどこかに置いておいて、
・ウェールズの学校生活
・日本語の勉強
・その他、ウェールズでの生活 
今回はこの3つでお送りします。


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ウェールズの学校生活
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ウェールズの学生は、
制服を着て、大きなリュックを背負って
スクールバスに乗って学校にやってきます。
制服は上だけが指定で、
たいてい赤・緑・白のポロシャツのどれかを選んで着ます。

じゃじゃん!ここでクイズです。
なぜウェールズの制服は赤・緑・白の3色なのでしょう。
日本の制服のカッターやポロシャツはほとんどが清潔感のある白か淡い色ですね。
私個人のイメージでは、赤や緑は洗濯するたびに色落ちしそうですし、原色過ぎてフレッシュな感じがしないこともありません。みなさんはどう思いますか?

ヒントはこのページのどこかに隠れています。
いろんな画像をよく見てみるときっと理由がわかります。
答えの知りたい方はあなたの予想とともにページ左部分のMAIL部分からコメントを送ってください。
正解でも車もテレビも当たりませんが(すみません)、答えをお教えします。

イベントのある日は制服ではなくコスチュームで登校することもあり、楽しいです。
トーマス・リー・ジョーンズというウェールズの作家の誕生日を祝う日には、彼の作品に基づいて海賊・山賊の恰好をします。みんな海賊の衣装で真顔で授業を受けます。

授業は毎日6時間×50分です。
6thフォームの生徒は個人によって違いますが、1時間や3時間の日、6時間みっちりの日など様々です。大学のようだと考えて下さい。
以下が時間割です。
朝の点呼・集会 8:50〜9:10
1時間目  9:10〜10:00
2時間目  10:00〜10:50
休憩      10:50〜11:05
3時間目  11:05〜11:55
4時間目  11:55〜12:45
お昼休み    12:45〜13:45
昼の点呼    13:45〜13:50
5時間目  13:50〜14:40
6時間目  14:40〜15:30

ホームルームでの点呼以外は芦間高校のようにそれぞれの選択科目を受講します。
授業後のクラブ活動はほとんどありません。
サッカー・ホッケー・ラグビー・バンドなどは週に1〜2回練習日がありますが、
毎日ではありませんし、1回の練習は1〜2時間程度です。
それ以外は3時40分くらいにはバスに乗ってほぼ全員学校を出ています。
ちなみに先生たちも4時には学校を出てしまいます。
4時の学校はすでに掃除の業者の人しかいないひっそりとした場所です。

ちなみにウェールズでは生徒は校舎内の掃除をしません。
散らかしても汚しても誰かが掃除してくれるので、みんなすぐに物を床に捨てます。
日本の高校生のように、
机の消しゴムのかすを集めてゴミ箱に自分で捨てるような素敵な習慣はありません。
でも、だからといって悪いわけではありません。ただ単に習慣の違いなのです。

日本では小学校から自分で掃除をするため、ゴミを捨てる習慣がついているのです。
日本の街に比較的ゴミが落ちていないのはこの素敵な習慣のおかげなのです。
でもやっぱり掃除は嫌いですかね。
明日からはちょっと違う視点で掃除を見てくれれば幸いです。

あと、時間割を見て何か気付いたそこのあなたは鋭いです。
1・2、3・4、5・6の間・・・
そう、移動時間がありません。
授業が終わったらすぐに次の授業へいかなくてはなりません。
それでもやっぱりすこし遅れて次の授業が始まるので、
授業時間は実質40〜45分です。
なぜ移動時間がないのか私は不思議でなりません。今度誰かに聞いてみます。
もし理由を思いついたらあなたの予想を送ってくださいね。
車もテレビも当たりませんが(再びすみません)、答えをお教えします。


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日本語の授業
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10月の中旬から日本語の授業が始まりました。
3つの学校で50人ほどの6thフォームの希望者が週1回授業を受けています。
(日本から遠く離れたところで50人も!!うれしいじゃあないですか)

なぜ日本語の授業に興味を持ったのか聞いてみたところ
ほとんどが、「他の言語と全然違うから」と答えました。

ウェールズ人はウェールズ語と英語の両方を操るバイリンガルです。
小さいころから学校で両言語を学び、両言語で授業をうけます。
さらにセカンダリースクールに入ると、
ドイツ語かフランス語のどちらか、もしくは両方を学ばなくてはなりません。
学年が上がるとスペイン語を学ぶこともできます。
そんなにやって覚えられるの???
と思いますが、どの言語も文法や単語が似ていて、学ぶのは比較的簡単なんですよね。
だからといって、全員が全てを流暢に操れるわけではないですが、
3、4か国語が理解できるのはあまり珍しいことではないのです。

しか〜し!!
日本語を理解できる人はほとんどいません。
だから彼らにとっては自分を特別な存在、他の人とは違う存在にできる
とってもいい武器なのです。
ウェールズだけではなく、欧米では他の人と違うということは
彼らにとっての武器です。他の人と同じなんて嫌なのです。
同時にオリジナルな人間であることが求められる厳しい競争社会でもあります。

彼らは現在、2回授業を受けて
・ひらがな あ〜こ (かろうじて認識できる程度です)
・カタカナでの自分の名前
・日々の挨拶
(おはようございます、さようなら、ありがとうございます、どういたしまして等)
・自分の名前と自己紹介
(はじめまして。わたしは いぬい です。どうぞよろしく)
を終えたところです。
他にも
・日本語には縦書きがあること、雑誌は右から左に読むこと
・挨拶するときはお辞儀をすること、両手を合わせたりしないこと
・お辞儀をする理由は欧米で握手をする理由と同じだということ
等、言葉だけでなくそれにまつわる背景や習慣も学んでいます。

早く日本のみなさんと話ができるといいな、とは思いますが
なんせ週に1回なので、時間がかかりそうです。
もう少し待っててくださいね。

授業のなかでウェールズの生徒が日本について知っていることを話してくれました。
その中で面白かった3つを挙げます。
1.うわばき
  日本に転向したウェールズ人が学校で外履きを履いていて、先生に「上履き!!」と怒られる・・・というビデオを学校で見たことがあるらしいです。
2.Full Metal Alchemist
  ご存知でしょうか。和名「鋼の錬金術師」というアニメです。私は知りませんでした。これを教えてくれた生徒はテレビシリーズと映画、すべて制覇したらしいです。
3.ベッキー
  遠くでがんばるイギリス人、とかなんとかいうテレビ番組の特集で、
お父さんがイギリス人のベッキーが紹介されていたようです。

本当に色々ですね。このページを見ている方で、何か聞いてみたいこと、知ってほしいこと、ウェールズの生徒たちへの質問があれば、私が代わって聞いてみますので是非MAIL欄からメッセージを送って下さい!


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その他、ウェールズでの生活
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それぞれの学校で、小学生とその保護者向けのオープンスクールが行われ、日本語の授業紹介のために、私も浴衣を着て参加しました。カタカナで自分の名前を書いてみようというコーナーを設置し、長蛇の列ができました。中には大人の方もいましたよ!
さらに隣の小学校でのインターナショナルデイにも参加しました。
この小学校の時は、日本語をとっている生徒にも浴衣を着てもらい、小学生に折り紙や、お箸での綿掴みなどを紹介してもらいました。

たくさんの人が日本語に興味を持ってくれ、とてもいい経験になりました。
いつか、誰かが日本へ旅行するかもしれないと思うとわくわくしますね。

最初の方で4時にはみんな学校からいなくなると書きましたよね。
では、学校から帰って何をするのかというと・・・

馬に乗るのです!

もちろん全員でも毎日でもありませんが、ウェールズには趣味で馬に乗る人が日本と比較してかなり多いです。
おうちに馬を飼っている(犬ではなく馬です!しかも4頭もいました。)
先生に誘ってもらい、私も馬に乗ってきました。
頬に受ける風や見渡す一面の緑がとてもきれいで気持ちよかったです。

あとは、宿題や習い事をしたり友達と遊んだりと、のんびりと過ごす人が多いです。
塾なんてありません。

アベリストゥイスは、京都の与謝野町と20年以上にわたって交流を行っていて、
11月には、与謝野町の高校生が10日間ほどこちらに滞在します。
おそらく彼らは日本との学校の違いにびっくりするでしょうね。

与謝野町の人たちに会って感想を聞きたいな、と思っていますので
次号はその様子と日本語教室の進行状況をお送りします。
お便りもお待ちしています。
それではまた来月、月初めにお会いしましょう。Hwyl!


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写真
・夜のアベリストゥイス
・トーマス・リー・ジョーンズの日
・日本語教室の部屋
・オープンスクールの日
・隣の小学校でのインターナショナルデイ
・乗馬


2  日本語教室だより Vol.1  2010年10月04日(月)
お待たせしました。第1号です。
こっちに着いて1週間とちょっと、まだまだ見えないところもありますが、楽しい生活が待っていそうです。
今回の記事は
・ウェールズって?どんなところに住んでるの??
・ウェールズの学校って?
・日本語教室のプレゼンテーション 
の3つでお送りします。


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ウェールズって?
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私が住んでいるのはイギリス本土の左の端、ウェールズの中部にあるアベリストゥイス(Aberystwyth)という街です。
海のそばにあって、結構大きな大学があります。とってもきれいな街です。
人口は11,000人くらい。そのうち学生が9000人くらいです。
学生がうちに帰る夏とクリスマスはとっても静かですが、それ以外は小さな街にしては活気があります。
そんなウェールズの小さな街での暮らしを少しばかりご紹介しましょう。

日本との時差は夏は8時間、冬は9時間あります。
こっちに来てから時差ボケが5日ほど続きました。毎日夕方にあくび連発で、周りの人に申し訳なく思っていました。

季節は春夏秋冬とありますが、11月は晴れの日なんて滅多にありません。10月くらいから雨が増え、12月くらいまで続きます。
冬は雨ばかりで雪は降っても積もらないので大阪と同じくらいかと思います。
一番いい季節は5月から7月です。とても気持ちいい涼しい晴れの日が続きます。今から楽しみです。

・・・というのも、私の家はビーチの真ん前にあって毎日海が見れてとても気持ちいいのですが、冬は海が荒れ狂うらしいのです。
荒れ狂うと、屋根が吹き飛ぶかと思うくらい一晩中うるさいらしいです。
はい、嫌です。

ウェールズでは人口の20%がウェールズ語を母語としています。
でもここは学生の街なので、英語が通じないことはまずもってありません。
ウェールズ語が母語の人たちも、英語が話せない人はまずもっていません。小さいころからバイリンガル教育を受けます。
ウェールズ語は日本語と英語とは全く語順の違う言語です。

Fumi INUI dw i. (= Fumi INUI am I)     *wはウェールズ語では母音でuと同じ発音です。

文法が違ってもペラペラになれる。日本人も英語なんておちゃのこさいさいのはずですね。

あ!ウェールズ語でie は「はい」という意味ですが、話しているのを聞くと「イイエ」に聞こえます。ややこしすぎます。

ウェールズの人たちはイギリス人と呼ばれるのをとっても嫌います。必ずウェールズ人(=英語でWelsh)と呼ばれたがります。
さらに「ウェールズ」はウェールズ語でCymru(カムリ)と言い、英語とは全く違う自分たちの言語を誇りに思っています。
大阪の人が関西人と呼ばれると、大阪やで、と付けたしたくなるのと少し似てますね。


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ウェールズの学校って?
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ウェールズだけではなくイギリスの学校制度は日本とは少し違います。

Primary School (Elementary school はアメリカ英語です)
→5歳から12歳の7年間
Secondary School(Junior high schoolではありません)
→13歳から16歳の4年間
この11年間が義務教育で、その後生徒たちは職業訓練コースに行くか、大学進学準備コースに行くか決めます。
6th form (High school とはいいません)
→これが大学準備コースで、17・18歳の2年間。
そして私が日本語を教える生徒たちでもあります。

公立の学校の学期はどの地域のどの学校でも共通です。
秋学期:9月2日〜12月22日
春学期:1月5日〜4月14日
夏学期:5月4日〜7月18日
そして各学期の真ん中、10月、2月、5月にそれぞれ土日を合わせて9日間の中間休みがあります。
日本の高校のように中間テストや期末テストはありません。
毎年2回ある全国共通のテストを受けます。

いいな〜と思ったそこのあなた。大間違い!!!!
そのテストでいい点を取れなければ大学への道が狭まります。
もう一回チャンスくれ!とかありません。
イギリスでは高校卒業は大した資格にならず、それらのテストに合格したか、何点取ったか、が一生履歴書に残ります。
大変なテスト社会、競争社会です。
もちろん生徒たちはテスト前は必死です。

でもみんな学校では楽しそうです。特にやっぱりおひるごはん。
毎日食堂、いやあえてCafeと呼びましょう、には長蛇の列ができます。
意外とおいしいです。

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日本語のプレゼンテーション
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私はそんな6th formの生徒たちに3つの学校で日本語を教えることになっています。
彼らは大学生のように自分に必要な科目だけをとるので、その空き時間を使って日本語を学んでみよう!というのが私の授業です。
単位修得の必要もないし、テストもありません。
しかし、学習証明書を発行することができるので、大学に入るのにちょっとみんなとは違う証明書として効果を発揮しています。

先週と今週は各学校で、そんな日本語コースのプレゼンテーションをしています。
・日本って全然ちがうよ!
・今までと全然違うことするのって楽しいよ。
・新しい物の見方ができるようになるよ。
・おいしい日本食も食べよう。
・日本の高校生とも交流しよう!
と、ざっくり言うとこのような内容でプレゼンテーションをしていますが、
ほんとにみんな興味津々で聞いてくれます。
特に、食べ物、漢字、日本の高校生にはくぎ付けです。

・・・実は渡英前に、3年生のオーラル選択者とブリーズのみんなに、
「日本語の自己紹介と英語の質問」というビデオを撮らせてもらっていたのですが、

そのいくつかをこちらで見せたところ、ほんとに喜んで見ていました。
そして2か月も日本語勉強したら、なんて言ってるかわかるようになるよ!というと、
え〜?ほんとに〜?といいリアクションをしてくれていましたよ。

協力してくれたみなさん、どうもありがとう!

プレゼンテーションで日本のイメージを聞くと、出てきた答えがこちら↓
なかなかユニークなのもあって楽しかったです。
Sushi, Sumo, Noodles, Kimono, Origami, Bleach(漫画です), Naruto (同じく漫画です),
Very very fast train (わかりますか??), Waraji(なぜ?)

さてどれくらいの人が日本語コースをとってくれるかな??来月のお楽しみです。

来月は、日本語の勉強、学校の生活、ウェールズ語等についてお送りします。
それではまた来月の月初めにお会いしましょう。
Hwyl!!!(フイル!と読みます。ウェールズ語でサヨナラという意味です)


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写真
・アベリストゥイスの街
・私の住んでいるアパート
・部屋から見える夕焼け
・学校の一つ(Penweddig)
・学校の食堂(Cafe)
・プレゼン中(日本の場所の説明中)



1  日本語教室だより Vol.0  2010年09月12日(日)
こんにちは!
Hello!
Bore da!

芦間で3月まで英語を教えていた乾史弥(いぬい ふみ)です。
私は4月から国のプログラムの下、外国で日本語教師をするための準備をしてきました。
そして、この9月から2012年の3月までの1年半、芦間高校の先生として、
イギリスのウェールズ(地図のオレンジ色の部分です)のアベリストゥイスという街で、
現地の高校生に、日本語を教えてきます。

このページでは
・現地の学校の様子
・ウェールズの高校生がどんな生活をしているのか
・どのように日本語を学んでいるのか
・日本の何に興味があるのか
・ウェールズでの生活の様子
・芦間高校との交流
など、面白いこと、へ〜、というようなことを皆さんにお知らせしたいと思っています。

更新は毎月、月初めに1回行う予定です。
10月は、ウェールズの基本情報や、私の働く学校について紹介したいと思います。お楽しみに。

内容は上記のほか、皆さんの興味のあることや、質問にも答えていきたいと思っています。
質問やコメント、こんなこと知りたい!や、現地の高校生と交流したい!!など、乾に何かを伝えたいという場合左の「MAIL」からメッセージを送ってください。

では毎月ここで会いましょう!!!!
乾でした。



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ちなみに私の行くウェールズは(上の竜のマークは、ウェールズの旗です。)

・なんと、関空からロンドンヒースロー空港まで12時間、そのあと電車で5時間!遠いです。
・さらに、10月から6月くらいの間は最高気温13度ほどの日本でいうと「冬」の気温です。寒いです。
・ページの1番上のBore da!はウェールズ語で「おはよう」という意味。英語とは全く違う言語を使っています。
 覚えなくてはなりません。大変!!



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